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顧問300社の精神科医が教える「残念な上司」5つの特徴

“パワハラ上司”にならないために。精神科医が教える「3秒で部下に好かれる方法」

 心を病んで休職する社員が増えている今、かつてのように「部下には嫌われてナンボ」という価値観はもはや通用しない。上司に必要とされるのは、「部下をメンタル不調にさせない」能力。経験豊富な精神科医が伝授する、すぐに役立つコミュニケーションのコツ。

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管理職失格の烙印を押されてしまう上司たち

精神科医が教える 3秒で部下に好かれる方法』(文藝春秋刊)

 最近、部下が仕事を滞らせている。見かねた上司が「しっかり頑張ってくれよ」と声をかけると、「大丈夫です」と笑顔が返ってきた。しかし数日後、上司は人事担当者から「あなたの部下から、パワハラを受けているとの相談があった」と呼び出しをくらう。上司は部下の真意が分からず、頭を抱えてしまう――。

 気にかけてやっているにもかかわらず、部下からの支持が得られず、管理職失格の烙印を押されてしまう上司が増えているという。かつてのような終身雇用・年功序列制度は崩れ、若者たちは、職場が合わないと感じればさっさと転職してしまう。人材確保が企業の重要課題となっている現代においては、部下の心を掴んでおくのも、上司の必須能力の一つになった。

「残念な上司」の特徴

「部下が訴えるメンタル不調の要因の第一位は、“上司”です」

伊藤直・平成かぐらクリニック院長

 そう指摘するのは、300社以上の企業の顧問医を務める精神科医の伊藤直・平成かぐらクリニック院長。これまで診療した多くの症例をもとに『精神科医が教える 3秒で部下に好かれる方法』(小社刊)を上梓した。

 伊藤院長によると、部下をメンタル不調に追いやる「残念な上司」には一定の特徴があるという。

「やっかいなことに、残念な“嫌われ上司”には、部下を後ろ向きにさせているという自覚がありません。個人プレーの仕事では優秀な人も多く、自分はできる上司に恵まれていたりする。そのため『自分にできたのだから、この程度の仕事はできるはず』と、部下に過剰な期待をかけてしまう。それは部下にとって、大きなストレスになるのです」

 このページの表に挙げた項目に、心当たりがあったら要注意。

チェックリスト

 たとえば冒頭のエピソードのように、仕事ができていないことが明らかな部下に「頑張って」と言うのは「この程度の仕事はこなせ」という命令に他ならない。この上司は応援したつもりが、部下は「命令」だと、強迫的に捉えてしまったのだ。

「メンタル不調で当院を訪れる患者のおよそ7割が、入社3年以内の新人です。就職するまでに教師や自分の親以外の大人と接した機会も少なく、上司の言葉を重く受け止めてしまいがちです。部下との一対一のやり取りが不得手な上司が関われば関わるほど、部下は後ろ向きになり、時にメンタルを病んでしまうのです」

 部下とのやり取りの中で、「どうしてあの部下は、いくら言っても分からないのか?」「私の何がそこまでいけなかったのか?」と疑問に思ったことがある人も要注意だ。