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連載僕が夫に出会うまで

片思いしている男友達に彼女ができたとき、高校生の僕が取った行動とは

バイト先の健康ランドに同じ男を好きな人が3人いて……僕が夫に出会うまで #14

2019/03/28

連載「僕が夫に出会うまで」

 

2016年10月10日に、僕、七崎良輔は夫と結婚式を挙げた。幼少期のイジメ、中学時代の初恋、高校時代の失恋と上京……僕が夫に出会うまで、何を考え、何を感じて生きてきたのかを綴るエッセイ。毎週連載。

 

(前回までのあらすじ)高校でたくさんの友達に恵まれた僕は、同級生の男の子、ハセに恋心を抱いてしまう。ハセへの恋心を公言する恋敵・愛に嫉妬していたが、健康ランドのバイトに明け暮れている頃、ハセには別の恋人ができていた。

 

(前回の記事「ゲイで高校生の僕は、好きな人を「好き」と言える恋敵が羨ましかった」を読む)

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ハセの恋人、「マミちゃん」

 ハセの彼女は「マミちゃん」という子で、僕らと同い歳だが、中学を卒業して、高校には通わず夜の街で働いている子だった。たぶん年齢などもごまかして働いているのだろう。僕が知る限り、マミちゃんはこれまで、僕が1年の時のクラスメイトだった、森木という男と付き合っていたが、森木と別れ、ハセと付き合うことになったようだ(森木とハセとマミちゃんは同じ中学出身だった)。

 僕は森木に詰め寄った。

 

「森木! マミちゃんをハセにとられて悔しくないのか! なんでマミちゃんと別れたの!」

「全然悔しくないよ。あいつ、俺と付き合ってる時からいろんな男と浮気してたし、最悪な女だよ。別れられて清々してる! ハセもドンマイって感じ」

 僕にしてみればドンマイなんて言葉で済ませられることではない。そんな最悪な女にハセが騙されることなど、あってはならない!

「森木てめえ、この野郎! お前が清々してもしょうがねえんだよ! どうしてくれんだよ! 全部てめえのせいだからな!」

 僕は発狂していた。

「何がだよ! 七崎、落ち着けって、どうしたんだよ!」

「森木、今すぐハセのとこに行って、森木が浮気されてたこと、マミちゃんがクソみたいな女だってことを、ハセに説明して来い! 友達として、マミちゃんと付き合うのはやめた方が良いって、今すぐ言ってこい!」

「嫌だよ。俺には関係ない! それにハセは全部知ってると思うよ」

「知ってて、ハセがなんで、そんなクソ女と付き合うんだよ!」

「俺が知るかよ! それに俺はもう関わりたくないね。悪いけど」

「森木が言わないなら僕が言う! 森木のバカ!」