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連載僕が夫に出会うまで

「君にはわからないかもしれないけど」精一杯の告白に、片思いしてる男友達が返した言葉

僕はこんなに嫌な人間だったのか……僕が夫に出会うまで #15

2019/03/28

連載「僕が夫に出会うまで」

 

2016年10月10日に、僕、七崎良輔は夫と結婚式を挙げた。幼少期のイジメ、中学時代の初恋、高校時代の失恋と上京……僕が夫に出会うまで、何を考え、何を感じて生きてきたのかを綴るエッセイ。毎週連載。

 

(前回までのあらすじ)高校でたくさんの友達に恵まれた僕は、同級生の男の子、ハセに恋心を抱いてしまう。健康ランドのバイトに明け暮れている頃、ハセには「マミちゃん」という恋人ができていた。

 

(前回の記事「ゲイで高校生の僕は、好きな人を「好き」と言える恋敵が羨ましかった」を読む)

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どんなに友だちがいても、心の穴は塞がらない

 ハセと僕は、仲良くなってから、毎日のように一緒に遊んでいた。それなのにハセは、マミちゃんと付き合い始めてからというもの、僕と遊ぶヒマはないようだった。誘いを何度も断られていたが、それでも僕はめげずにハセを誘い続けた。

 

「今日、みんなでカラオケに行くんだけど一緒に行かない?」

「マミと約束してるから行けない。みんなで楽しんで!」

 ハセがいない時間は僕にとって空虚なものだった。

 どんなに友だちがたくさんいても、その友達とどんなに楽しい事をしていても、僕の心に開いた穴は埋められなかった。ハセなしでは「楽しさ」や「幸せ」の感じ方を忘れた人間になってしまったようで、一人になると勝手に涙がこぼれてくる。そんな日々が続いていた。

勇気を出した、精一杯の告白

 ある日の夜、僕は思いあまって、ハセに電話をかけた。

「もしもし。ハセ、今一人?」

「うん、一人。どうした?」

「最近さ、ハセは僕とあんまり遊んでくれないじゃん。だからなんか、寂しいんだよね」

 勇気を出して、精一杯の告白だった。