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“丸化”が止まらない!? 巨人「1番セカンド吉川尚輝」早期復帰への期待

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/04/16
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「OMG!! えーーー! 痛いよ、痛すぎるよぉー……!」

 4月14日12時過ぎ。この原稿を書いている私の元に届いた悲報。

セ・リーグ公示
【出場選手登録抹消】
吉川尚輝(G)

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 鬼門と言われるマツダスタジアムで開幕3連戦を勝ち越し、一気に勢いに乗ったように見えたジャイアンツ。

 開幕から固定されていた1番吉川尚輝、2番坂本、3番丸、4番岡本。この上位打線が嬉しいほど機能し、得点が入る入る! その度にタオルを回す回す! 4月上旬は超ーご機嫌だったわけです。「なんて魅力的な打線なの!」って、正直完全に浮かれていました。

チームホリプロで東京ドーム開幕戦(巨人—阪神戦)を観戦 ©ホリプロ

1番吉川尚輝、2番坂本について

「これさぁ、1、2番逆じゃない? なんで1番坂本、2番吉川尚輝にしないの?」

 実は開幕戦前、名将・原監督の采配に対し、生意気にこんなことを言っていた、ド素人の私。一体この時の私はなにを見ていたんでしょうね。蓋を開けてみたら、1番に置いた吉川尚輝が開幕戦から猛打賞。11試合で打率.390と絶好調!

「吉川打つねぇ〜」「最高のリードオフマンじゃん!」「吉川尚輝、首位打者狙えるんじゃない?」と、まぁこんな調子で、今では“1番セカンド吉川尚輝”には希望しかない! 1番セカンド吉川尚輝バンザーーーイ! といったような調子で、やはり原監督ってスゴイと、私としては改めてそう思った采配の一つでした。

希望に溢れている1番セカンド吉川尚輝

ジャイアンツ長年の課題

 そもそもジャイアンツはここ数年、ずっと1番打者が固定できずにいます。そして二塁手にもずっと頭を抱えている。さらにもう一つ。ここ数年、機動力にも欠けていた巨人は、すっかり“走らないイメージ”がついてしまったように思うのです。昨年のチーム盗塁数は61。これは中日と並んで12球団ワーストの数字。一方、セ・リーグ優勝チーム広島の盗塁数は95。さらに、パ・リーグ優勝チーム西武は、なんと132。

「ちょっと……軽くウチの2倍以上じゃん」

 こう見ると61という数字は実に寂しいですね。“走らないイメージ”を持たれても仕方がないなと思います。

 しかし、これらの問題に対し今季は“1番セカンド吉川尚輝”がすべてを一気に解決してくれたのです。

 打率は先にお伝えした通り絶好調。そして守備に関しても(ちょっと今年は失策が多いけれど)昨年から軽快な好守をたくさん見せてくれています。坂本との二遊間も良い感じ。信頼の置ける守備力もまた彼の魅力と言えます。

 盗塁に関しては、ここまでの11試合で1盗塁と数は少ないものの、俊足の吉川尚輝が1番にいる存在感が非常に大きい。今季の出塁率(.432)を見ても相手からしたらイヤな1番打者であることは間違いないでしょう。走塁に関しては、今季から現役時代走塁のスペシャリストとして活躍した鈴木尚広外野守備走塁コーチもいますから、なおのこと期待が持てます。

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