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地下鉄・丸ノ内線の車両に外国人が落書き 目的は何なのか?

 それは“芸術テロ”とでもいうべきか。東京メトロ丸ノ内線の車両にスプレー缶で落書きをしたなどの疑いで、警視庁は4月3日、オーストラリア国籍のハン・ポール容疑者(27)を逮捕した。車両には所狭しと赤や黄色などのスプレーで、アルファベットを元にした模様が吹き付けられていた。警視庁担当記者は言う。

「昨年2月の発生後、外国人犯罪を担当する組対二課は防犯カメラなどからハンと特定していたが、同月中に出国済み。毎年のように来日し、レンタカーで国内を周遊していたことが確認されており、組対二課は再来日するとみて警戒。成田空港に入国したところで逮捕した。複数の仲間と他の電車の落書きにも関わったとみられます」

2013年には大阪市営地下鉄で落書きが発見 ©共同通信社

 再来日の理由は逮捕当時の所持品から明らかだろう。スプレー缶に取り付ける噴出口、マーカーペン、動画の撮影ができる複数のカメラ。手袋、懐中電灯にヘッドライト、大きなはさみまで見つかった。

「特に注目されるのがカメラです。スプレー缶による落書きは好事家の間で『グラフィティ』と呼ばれていますが、そのなかでも電車の車両などを対象にしたグラフィティはその困難性などから、描くに至るまでの行為そのものが興味の対象とされています。侵入から落書き、さらにその車両が運行するまでの過程をカメラで撮影し、動画を配信したり、DVDに焼いて販売したりするのが、彼らの生業なのです」(同前)