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特集観る将棋、読む将棋

「棋士の中で最も歌がうまく、歌手の中で最も将棋が強い」内藤國雄の美声

「天才棋士たちの仰天エピソード」

2019/05/01

 棋士の中で最も歌がうまく、歌手の中で最も将棋が強い人物と呼ばれた男がいる。映画「王将」のモデルとなった現代将棋の始祖・阪田三吉の孫弟子にあたる内藤國雄その人だ。

 神戸市三宮にいた藤内金吾のもとへ入門し、将棋人生を歩み始める。表札には横書きで「藤内」とあったが、「同じ苗字や」と読み違えて弟子になった慌てん坊だ。酒豪で知られ、飲み屋へ足を運ぶ前に、前哨戦とばかりに一升瓶を空けるほどだったという。酒にめっぽう強い内藤は、将棋も強い。棋界では「西の内藤」と恐れられ、数々の棋戦で優勝を果たし、棋聖・王位のタイトルを得る。

歌手としても「おゆき」がミリオンヒットとなった(写真は朝日放送「おはよう土曜の朝に」より)

 いっぽうでは、大阪ミナミの流しの元締めから「月10万円でどうや?」とスカウトされたほどの美声の持ち主でもあった。レコードデビューも果たし、76年にリリースした「おゆき」は100万枚を超す大ヒット。コンサートで全国巡業をしたこともある。歌番組以外にも、ファミコンの将棋ソフトを監修したり、CMに出演したり、NHKの朝ドラ「ふたりっ子」にも出演を果たした。棋界のみならずお茶の間にまで名を馳せた、多才で華のある棋士の代表格だろう。

 そんな内藤には有吉道夫という宿敵が。2人は93局を戦い、内藤の49勝。これほど戦績の拮抗するライバル関係も珍しい。

ないとうくにお
1939年、兵庫県生まれ。関西棋界のドンとして、王位、棋聖位を獲得。2015年に現役を引退。2010年、旭日双光章。

出典元

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2018年5月3・10日号

2018年4月25日 発売

特別定価460円(税込)