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仕事は一生懸命やるだけではダメ 「どう働くか」「意味は何か」を考えよう

『働き方の哲学』(村山昇 著/若田紗希 絵)――ベストセラー解剖

2019/04/24
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『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』(村山昇 著/若田紗希 絵)

 企業研修プログラムを手がけている著者。その内容は単純なスキルアップではなく、受講者の仕事・キャリアに対する心構えに働きかけるもの。仕事の中で起こった出来事を適切に解釈する見方、健やかな仕事「観」こそが重要であるとする著者の考えを、ドラッカーなど古今東西の名著を引きつつ、丁寧にまとめた本だ。

「著者とは長い付き合いで、私も働き方に多大な影響を受けてきました。目先の仕事をただ一生懸命やるだけではなく、どう働くか、仕事の意味とは何かなどを、俯瞰で捉える。そんな哲学的な姿勢の持ち主で、本書はそうして著者が積み重ねた思考を、ある種、集大成するものとして作りました」(担当編集者の原典宏さん)

 組織論からメンタルヘルスまで、多彩な内容を盛り込むだけでなく、読みやすさと使い勝手も考慮した。2ページ・4ページと見開き単位で一項目が完結するのは、本を開いた状態で熟考しやすくするため。

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「ただ著者の考えを受け入れるのではなく、書かれた内容を元に自分なりに考え、アウトプットをしてほしかったんです」(原さん)

 刊行から約1年間、毎月数千部ずつ増刷している。

「ビジネスパーソンから就活中の学生さん、セカンドキャリアを考え始めた方など、幅広い反響があります。キャリアの節目にあれば、どの世代、性別でも響く本だと思います」(原さん)

2018年3月発売。初版7700部。現在12刷6万3000部

働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える

村山 昇

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2018年3月25日 発売

仕事は一生懸命やるだけではダメ 「どう働くか」「意味は何か」を考えよう

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