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まるで舞台衣装 美智子さま“360度からの視線”を意識されたファッション10選

genre : ニュース, 社会

 日ごろ、美智子さまが衣服に込められているお気持ちには、さりげなく見えるけれども並々ならぬものがある。

パラオ・ペリリュー島を訪問され、西太平洋戦没者の碑を拝礼された天皇皇后両陛下 ©JMPA

今でも迷い迷い着ていることもあるのです

「気を遣うというより、今でも迷い迷い着ていることもあるのです。自分で決める時もありますし、どうしたらいいのかなと思って女官の人に相談したり、大勢の会食では、皆様どのようにお召しになるのか伺ったりします」

 美智子さまは1985年10月、51歳の誕生日を前にした記者会見でこのようにご自身の着こなしについてお話しになったことがある(『新天皇家の自画像』文春文庫)。皇后陛下となられてから30年の間に完成されていった美智子さまのスタイルや美意識について、ある宮内庁関係者はこう話していた。

「皇后さまはどこから見られてもいいように360度、気にかけられています。取材設定がある場面では、どこから撮影されるかもわからないものです。風が吹いてもめくれないよう、立った瞬間にしわにならないよう、長年の経験と最新の技術を生かす形で、皇后さまのお召し物はつくりあげられているのだと思います」

「天皇陛下御在位三十年記念式典」に臨席された天皇皇后両陛下 ©JMPA

 たとえば、普通は歩いたりしゃがんだりすることで、少しずつスカートがずれることがあると思うのだが、美智子さまが歩を進められる時、そのようなことは決してないだろう。おそらく、普通のオートクチュールとはまた違った、ある意味で“舞台衣装”のような仕かけが施されたお召し物なのだと想像する。普通の洋服より重さがあることによって、身につけられるだけでご負担になることもあるのではないだろうか。

 決して妥協をされずに、訪れる場所への思いを込められ続けた美智子さま。上皇后陛下となられた後は、どのようなスタイルで日々を過ごされることになるのだろうか。