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[第1部 住宅・住宅設備特集 ]
健康寿命を延ばす家

長寿の時代だからこそ、健康にすごすための住まいの環境が重要になってくる。元気な心身をつくるには、断熱や気密、建材の質などが効果を発揮する。健康寿命を延ばす、快適で安全な住まいづくりを考える。

●ミサワリフォーム
●神崎建設

人生百年時代に備えてわが家の健康性能を要点検!

長年暮らしているわが家も、時間が経てばさまざまな不具合が出てくる。我慢が、将来の事故につながるかもしれない。思い切って見直すタイミングだ。

無断熱で放置された家は健康に悪影響を及ぼす

 床や壁、屋根などに断熱材がほとんどなく、窓は熱を伝えやすいアルミ枠でシングルガラス──。こんな無断熱の家は、日本では珍しくない。

「日本の住宅の断熱性能は先進国のなかでは最低レベルです。健康づくりや住宅の長寿命化を考えていくうえで、国を挙げた対策は急務でしょう」

 不動産コンサルタントの長嶋修氏は、日本の住宅が置かれた現状をこう指摘する。

 住宅性能が健康に影響を及ぼすことは、よく知られるようになってきた。冬場のヒートショックのほか、冷え込みが血圧の上昇や活動量の低下などにかかわることを示す研究も出ている。また、建材の接着剤など化学物質から揮発される成分がシックハウス症候群を引き起こすことも問題だ。

公的支援を活用し早めの点検・対策を

 
 

「健康に直結する住宅性能の見直しは急務です。断熱先進国のドイツでは、住宅の賃貸や売買に断熱性能表示を義務づけており、一つの指標となっています。遅まきながら日本でも新築住宅での高断熱化を目指し義務化などが検討されている。後世に受け継ぐにふさわしい資産価値の高い住まいを残していくために、健康性能の見直しは不可欠となっていくでしょう」

 国もこうした高断熱の住宅づくりを後押しする。今年十月に予定される消費増税の緩和策として、住まいの断熱改修やバリアフリー対策などをすると、さまざまな商品などと交換可能なポイントがもらえる「次世代住宅ポイント制度」を実施する。百歳まで生きる時代だからこそ、人生の大半を過ごす自宅の改善は重要なテーマとなる。公的支援を生かし、早いうちに手を付けておいて損はない。