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[第2部 不動産・土地活用特集 ]
将来に土地や資産を受け継ぐ最善策

収益になる価値ある不動産を効率的に子供たちに残したい。親から受け継いだが、活用の見込みのない土地がある。不動産を生かし、次の世代へ受け継ぐための最善策を考える。

●三井ホーム
●東急リバブル
●東京都市開発

人口減少時代の土地活用は三極化を意識して早めの選択 

少子高齢化が進む日本で、土地の価値を最大化するにはどのような戦略をとるべきなのか。不動産コンサルタントの長嶋修氏に現状と今後の展望を聞いた。

空き家率は過去最高 時間活用がキーワードに

 総務省が今年四月末に発表した住宅・土地統計調査は、日本国内で空き家が増え続けている現状を如実に示す結果となった。二〇一八年の国内の総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は一三・六%と、前回調査の二〇一三年を上回り、過去最高を更新。戸数でいえば、八百四十六万戸もの住宅が空き家となっている。

 
 
不動産コンサルタント 長嶋 修(ながしまおさむ)
個人向け不動産コンサルタントの第一人者として活躍し、国土交通省・経済産業省などの委員を歴任する。不動産コンサルティング会社さくら事務所の設立者、現会長。
不動産コンサルタント 長嶋 修(ながしまおさむ)
個人向け不動産コンサルタントの第一人者として活躍し、国土交通省・経済産業省などの委員を歴任する。不動産コンサルティング会社さくら事務所の設立者、現会長。

 不動産コンサルタントの長嶋修氏は「人口減少に対して、家が増えていることを考えれば当然の結果です。日本の総人口は一億二千万人から九千万人に減少すると推計されます。近い将来に一千万戸が空き家になるのも時間の問題です。六戸に一戸は空き家になる計算です」と住宅市場を見据える。

 当然、賃貸住宅による土地活用は難しさを増していくが、長嶋氏は「賃貸住宅が不要になるわけではありません」と言う。「視点を変えれば、九千万人分の住宅需要は継続するということです。これからの賃貸経営は『時間の確保』がキーワードになるでしょう」。

 長嶋氏によると、現在空き家になっている物件の特徴は、買い物や通院など日常生活の利便性が悪く、駅からも離れているエリアだ。「つまり、空き家になりやすい物件はどこに行くのにも『時間がかかる』場所にあるのです。対して現代人は、時間を有効活用できるかどうかを重視します。駅から遠い物件はそれだけで敬遠されがち。この傾向はこれまで以上に鮮明になるでしょう」