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首長のリーダーシップで成長可能性がわかる

 実際、空き家率は全国で一様に上昇しているわけではなく、エリアによってムラがある。地域別の空き家率をみてみると、埼玉県や東京都、神奈川県などは全国でも低位に属している。

「東京二三区は今後も人口増が見込まれていますが、そのほかでも住みやすい環境が整った自治体であれば人口増が期待できます」と長嶋氏は話す。

「ポイントは、首長が強いリーダーシップを発揮できる環境があるかどうかです。首長の権限が強い自治体では、子育て世帯に手厚い独自施策を打ちやすくなります。そうすると自然に人口流入が起き、税収も増加し、住民サービスの向上につながるという正の循環が生まれています。千葉県流山市などが好例ですね。こうした自治体は不動産価格も維持・向上しやすい。ぜひ選挙結果や自治体の都市計画にも着目してほしいと思います」

 
 

国内の不動産市場では“価値の三極化”が進む

 土地活用は、相続対策の一環として取り入れられるケースも多い。小規模宅地等の特例を生かせば、現預金よりも相続税評価を圧縮できるためだ。

「ただ、収益性のない不動産活用は受け継ぐ家族の負担になりかねません。相続を考えるのであればなおさら、事業の持続可能性を見極めて対処すべきです」

 もしも収益の見込めない老朽化アパートなどを保有しているなら、早めに処分してしまうのも重要だ。賃貸経営が不適だとしても、介護施設や保育園、病院など地域ニーズをとらえた活用であれば活路はある。

 また長嶋氏は「不動産はきれいに分割しにくいため、親族や家族がもめないように、あらかじめ分け方を決めておくことも大切です」と助言する。

 不動産小口化投資商品であれば、不動産と同様の相続税の圧縮効果を得ながら、小口で分けて受け継ぐこともできる。ただし、立地の良さや収益性が問われる点は変わらない。

「これからの日本の土地は、収益力が維持され続ける地域、ゆるやかに価値が下落していく地域、一気に廃墟化する地域へと三極化が進んでいくでしょう。自分が保有している、あるいは投資しようとしている土地での事業に持続可能性があるかを見極めることで、未来が変わります」