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2019/04/28

行動を起こすときには(多少は)正気に戻る男

 女性の読者は、きっとここで「男ってバカだなあ」と思っただろう。10歳も20歳も年上の「おっさん」と(カネづるとして)つき合ってくれるのはキャバ嬢くらいしかいない。

 たしかにそうなのだが、すこしだけ弁解させてもらうと、いくらバカな男でも理想と現実の区別くらいはついている。それを示したのが次の図3で、婚活サイトの男性が実際にメッセージ(「あなたとお近づきになりたい」)を送った女性の年齢分布だ。

クリスチャン・ラダー『ハーバード数学科のデータサイエンティストが明かす ビッグデータの残酷な現実』(ダイヤモンド社)より作成。

 この図から、男が行動を起こすときには(多少は)正気に戻ることがわかる。しかしそれより印象的なのは、36歳以降にできている3本の柱だ。

 40歳の男がいちばん多くメッセージを送ったのは30歳の女性だが、41歳になるといきなり35歳の女性へとジャンプする。44歳の男がいちばんアプローチしたのは35歳の女性だが、45歳になると対象年齢はやはり5歳ジャンプする。

ビッグデータの解析結果「男は5歳刻みで口説く女を変える」

 どうやら男は、自分の年齢を5歳刻みで意識するようだ。若い女性とつき合うのに9歳の年齢差は問題ないが、10歳差になると「ちょっと離れすぎかも」と不安になって、口説く相手の年齢を5歳調整するのだ。

 最初の2つの図は、さまざまな言動から魅力的だと感じる年齢を解析したものだ。本当の気持ちというより、たんなる願望のこともあるだろう。だが図3は、男性が“実際に”メッセージを送った女性の年齢をビッグデータにして解析したものだ。ウソや冗談で「つき合ってください」なんてメールは送らないだろうから、これはきわめて説得力の高い「証拠(エビデンス)」だ。

 これまでも、「女は年上の男が好き」「男は若い女が好き」という漠然とした「常識」はあった。しかしこれだけでは、「40歳を過ぎると女の関心は年下の男に移る」とか、「男は5歳刻みで口説く女を変える」などということはわからない。それを解明したのがビッグデータで、たんなる経験則ではなく「根拠のある主張」だ。この連載では、個人的な思い込み(私はこんな体験をした)ではなく、つねに「証拠」を示すようにしたい。

©iStock.com

どんどん広がる年齢ギャップ

「35歳を過ぎた女は結婚がむずかしくなる」といわれる。そしてエビデンスは、この理由を明快に説明する。

 30代の女性は、自分と同じくらいの年齢の男性にもっとも魅力を感じている。35歳だと、30代半ばの男性を好ましいと思う。

 ところがそのとき、35歳の男は自分より5歳若い女性にせっせとメッセージを送っている。そしてこの行動は40歳まで変わらないから、男と女の好みはどんどん開いていく。

 40歳を過ぎると、男女の好みのちがいはさらに極端になる。45歳の女は自分より5歳若い男を好むが、当の40歳の男は30歳の女を口説こうとしている。この大きな年齢ギャップを埋めるのは容易でないだろう。