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2019/04/28

男女の欲望がこれほどすれ違う理由は?

 男と女の欲望はなぜこれほどちがうのか?「現代の進化論」は、「ヒトの脳が、長い進化の過程のなかでそのように“設計”されたからだ」と説明する。これに反発するひともたくさんいるだろうが、多くの研究者が半世紀以上にわたって膨大なエビデンスを積み上げており、現時点でこれを上回る説得力を持つ「科学」は存在しない(これからもおそらくないだろう)。

 すべての生き物が後世により多くの遺伝子を残すよう「設計」されてきたとするならば、その目的は「生存」ではなく「生殖」だ。大過なく生涯を終えたとしても、生殖に失敗すればそこで遺伝子は途絶えてしまう。

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 オスがより多くの子どもをつくろうとすれば、限られた資源をメス全員に均等に分配するようなことはしないだろう。それより、妊娠可能な一部のメスに集中的に資源を投入した方がずっと有利だ。

リベラルな遺伝子は淘汰され、差別的な遺伝子が残った

 このようにして、すべての女性を年齢にかかわらず平等に扱う「リベラル」な遺伝子は淘汰され、若い女性を極端に好む「差別的」な遺伝子だけが残った。そのように考えれば、50歳になっても20歳のギャルと結婚することを夢想し、現実を突きつけられてもできるだけ若い女性と交際しようとあがく男の「悲しい性(さが)」が理解できるだろう。これは「差別」の問題ではなく、進化の過程で生じた男女の「利害の不一致」という問題なのだ。

「進化」の長い影は、恋愛やセックスだけでなく、私たちの人生のあらゆる場面に及んでいる。この連載では、その不愉快な事実を受け入れたうえで(ほかにどうしようもない)、いかにして「幸福」を手に入れられるかを考えていきたい。

参考文献:キャサリン・ハキム『エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き』共同通信社

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出典元

皇太子が漏らされた秋篠宮さまへの憂慮 「抗不安薬」「千鳥足」

2019年4月25日号

2019年4月18日 発売

定価420円(税込)