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なぜ70歳の社会学者・上野千鶴子さんは「認知症者もひとりで暮らせる」と言うのか

高齢者の5人に1人が認知症になる時代。行動抑制という名の「虐待」なんてあんまりだ

2019/05/10

 認知症者が独居の在宅で暮らせるか、だって? 生活習慣が維持できなくなっても、訪問介護に入ってもらえば食事も入浴もできる。食欲は生きる意欲の基本のき。食べられるあいだは食べていただいて、機嫌よく下り坂を降りていってもらい、そのうち食べられなくなったり、寝たきりになったりしたら、認知症があろうがなかろうが、ケアは同じ。実際、そうやって独居の認知症の高齢者を、在宅のまま見送ったという事例も耳にするようになった。

上野千鶴子さん ©文藝春秋

高まる成年後見のニーズ

 認知症になったら……誰かに意思決定を託さなければならない。「当事者にとっての最善の利益」を代行するのが、成年後見である。家族に頼めない、頼れない高齢者が増えるにつれて、成年後見のニーズが増大してきた。ニーズあるところ、サプライあり。そこで、成年後見、身上監護、死後事務委任の3点セットを引き受けてくれる事業者が登場してきた。命とお金を預けるのだもの、公共団体や福祉公社、社福協など、責任のある公的な団体がバックについてもらいたいものだと思う。

「文藝春秋」2019年6月号

※認知症者は「廃人」なのか? 「在宅の限界」はいったい誰が、何のために決めるのか?――人生の終わりを心穏やかに迎えるヒント満載の上野千鶴子さんの短期集中連載『「在宅ひとり死」のススメ』第3回は、「文藝春秋」6月号に全文掲載されています。ぜひあわせてお読みください。

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