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令和に“平成経済ふりかえり本”はなぜ売れる? 共通点は「平成経済=失敗」

2019/05/13

「平成」から「令和」へと変わるのと重なるように、『平成経済 衰退の本質』(岩波新書、金子勝著)など平成経済を回顧する新刊が相次いで発売され、軒並み好調な売れ行きを見せている。

『バブル経済事件の深層』は4月20日の発売

 著者の多くは第一線で活躍するジャーナリストや学者。自身が肌身で味わった昭和、平成の経済を独自の視点で分析している。『平成金融史』(中公新書、西野智彦著)は昭和バブルを崩壊させた日銀の三重野康元総裁の後悔から紐解き、『バブル経済事件の深層』(岩波新書、奥山俊宏・村山治著)は、新証言や新事実から尾上縫や高橋治則の事件などの深層に迫った。

「バブル時代は登場人物の個性が豊かで、物語としても面白い。反面、第一勧銀の元頭取や山一證券の副社長らが自殺に追い込まれる事件もあった。ただ、当事者たちも80歳、90歳になり、もう時効で話してもいいと考える人も増えてきた」(著者の1人)

 その当事者自らが長年の沈黙を破った作品もある。『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』(ダイヤモンド社、河谷禎昌著)だ。大手銀トップで唯一実刑判決を受けた河谷氏が84歳になった今、拓銀破綻の真相を赤裸々に綴っている。