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「ストッパーが壊れたようにしゃべってしまう」中野信子が“お悩み脳”を解決します

話を聞いてもらうのは、性行為より気持ちいい?

2019/05/17

source : 週刊文春WOMAN 2019年正月号

genre : ライフ, 人生相談

週刊文春WOMAN』2019 GW号の発売を記念して、『週刊文春WOMAN』を代表する中野信子の人気連載「あなたのお悩み 脳が解決できるかも?」第1回を特別公開する。

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 読者のみなさま

中野信子氏

 はじめまして。脳科学者の中野信子です。わたしが初めて「脳」に興味を持ったのは、同級生たちと馴染めずにいつもひとりでポツンとしていた小学生のころのことです。ある日、いつものようにひとりで子ども向けの科学の本を読んでいて、ふと、わたしが浮いているのは脳に原因があるのではないかと思ったのです。大学院で脳神経医学を専攻し、フランスの国立研究所で2年間博士研究員を務めてわかったのは、そのときの直感は正しかったということ。普段悩んでいることも、迷っていることも、脳を知ることで解決できることがたくさんあるのです。

 週刊文春WOMANは社会人、家庭人、学生といった属性や年齢を問わず、あらゆる大人の女性に向けて編む雑誌と伺いました。女性の人生は進路の選択に迷ったり、家族のことで悩んだりの連続ですね。そんなあなたのお悩みに、脳科学がお役に立てればうれしいです。どうぞ何なりとご相談をお寄せください。

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不倫の恋しかできません
─39歳・シングル・化学メーカー研究職からの相談

“恋に落ちる相手は必ず既婚者です。中野さんの『不倫』(文春新書)を拝読し、「もともと一夫一婦制の結婚に向いていないタイプが人口の半数程度いる」と書かれてあったのでホッとしました。でも待てよ、わたしは結婚したことがなく、したがって一人の夫ではガマンできないのよというタイプではないのです、たぶん。だからホッとしている場合ではなかった。間もなく40歳になりますし、いい加減に不倫じゃない恋をしたいです。ムリでしょうか?”

©iStock.com

 拙著をお読みいただき、ありがとうございます。あなたに親近感が湧きました。わたしと同様に、団塊ジュニアの世代にあってリケジョですね。当時の大学の理系というと男子が圧倒的に多く、女子は稀少価値があったがゆえにモテましたよね。わたしの場合も女子は学部にたった5人でしたから、「撃墜王」「ギャル将軍」と呼ばれるほどモテました。実は、わたしのあだ名も「女王」だったのです(恥)。

 当時は現在よりはるかに受験戦争が激しかったですよね。そこをくぐり抜けてきたあなたですから、攻略する歓びを知っているはず。恋するときは純粋に“好き”という気持ちもあるにはあるでしょうが、相手の心を自分に向かせたという歓びも大きいのではありませんか? それはすなわち、攻略してゲームに勝った歓びなのです。

第2回は発売中の『週刊文春WOMAN 2019GW』に掲載中

 人工知能に「世界平和を実現せよ」と命令すると「人間をみな殺しにする」という“解”を出します。人間というのは戦い、奪い、平和を乱すものなのですね。あなたが恋した相手を本当に好きなら、あなたも戦って奪えばいい。奪われた側(妻)には気の毒ですが、プロテクションに不備があったのだからしかたありません。もっとも、あなたはそんなことはとっくにわかっていて、誰かと戦って夫を奪われたくないから今まで結婚しなかったのかもしれません。

 さて、あなたが結婚するかしないかはさておき、本当に「不倫じゃない恋」をしたいのですか。