昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/05/17

source : 週刊文春WOMAN 2019年正月号

genre : ライフ, 人生相談

 娘さんは誰かが痛い思いをすると自分も痛いと感じます。人間としてものすごくいい人、ぜひお友だちにしたい人です。ただ、脳のOFCと扁桃体の結びつきが強過ぎると、みんなが自分を見て笑っているのではないかとか、わたしはダサいと思われているのではないかとか不安になる社会不安障害が起きやすいということがあります。これはかつて対人恐怖症といわれ、日本人の国民病といわれるほどポピュラーなものでした。

 文面から察するに、あなたもそうとう心配性ですよ。娘さんがまだ就職もしていない段階からそんな心配することありません。厳しい現実に立ち向かわなければならなくなったときは辛い思いをされるでしょうけれど、娘さんはきっと乗り越えます。誠実に、堅実に家庭を築いてきたあなたのように。

高校3年生の娘が感じ悪くて、つらいです
─55歳・出版社勤務からの相談

“2年前に夫を亡くし、大学2年の息子(19)、高校3年の娘(17)と暮らしています。悩みは娘が感じが悪いことです。「息子さえいれば、わたしのことなんかどうでもいいんでしょ」「フン、わたしにはイヤな言い方をするのに、お兄ちゃんには声からして違う」と常にひがんだ物言いをします。息子は小さいころは手こずりましたが、成長して話もよく聞いてくれるし、判断力もあるし、助かることが多いです。娘には身構えますが、息子にはフツーに接することができて楽なのです。娘はそれを見抜いているのでしょう。

 仕事が終わり、「あれが家にいる」と思うと帰途の足取りが重くなります。こういうとき、夫が生き返ってくれたらバランスが取れるのに……。わたしはフツーの気持ちで暮らしたいだけなのです。生きているわたしにできることは何でしょうか?”

©iStock.com

 親子というのは、良好な関係でいるのは実は難しい。娘とうまくいかないとか、きょうだいのうち一人だけうまく話ができないとか、悩んでいるお母さんは少なくないと思います。あなたの場合はまず、「わたしのことなんかどうでもいいんでしょ」と子どもから言われたときに、どう返すかというのが問題ですね。これも同じような悩みを持つお母さんがいます。

 こんなとき、「そんなことないわよ」と“お為ごかし”を言ってしまう人が多いんです。「そんなことない」というのは嘘ではない。でも、確かに息子のほうがかわいいと思っているのに……。

 ところで、「大脳皮質」という脳の表面を覆っている層があるのをご存じですか。ここは論理的な思考を働かせたり、記憶したりする“思考”の中枢です。いわゆるアタマがいいか、おバカかについてですが、知能というのは母から受け継ぐものなのです。人間はどの程度受け継ぐのか検証の余地はありますが、マウスで実験したところ、大脳皮質はほとんど母の遺伝子からできるということが明らかになりました。