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 同大学では本望氏の主導で、脊髄損傷と同じ間葉系幹細胞の製剤による脳梗塞の治験も2013年から進行している。さらに今後、ALS(筋萎縮性側索硬化症)といった神経難病や、アルツハイマー病などにも適応拡大できる可能性があるとの指摘もある。

 目下、脊髄損傷に対する新しい治療として、iPS細胞を用いた臨床研究も進められようとしている。ただし、臨床研究は学術的に安全性や有効性を確認するのが主たる狙いで、一般の医療として利用されるのには、しばらく時間がかかる。だが、この札幌医大の間葉系幹細胞を用いた脊髄損傷への医療は、すでに安全性も有効性も国から認められたものだ。この春からは急性期に限ったものではあるが、公的医療保険も認められた。

 

 これほどめざましい成果が、なぜ大々的に報じられてこなかったのかと疑問に思う向きもあるだろう。本望氏は言う。

「今まであまり語ってこなかったのは、苦しんでいる患者さんの期待を高めるように無駄に煽りたくなかったから」

 実はこの取材も3年前、本望氏に依頼した際には、断られている。

文藝春秋6月号

 驚異的な回復をみせる様子はNHKスペシャル「寝たきりからの復活~密着!驚異の『再生医療』~」(5月4日放送)でも話題を呼んだが、月刊「文藝春秋」6月号では、今月からの患者受け入れを目前に実現した、本望氏のロングインタビュー「脊髄損傷は治療できる 札幌医大『奇跡』の発見」を掲載。これまでの本望氏の研究をたどりつつ、脊髄損傷や脳梗塞の後遺症である半身不随、あるいは高次脳機能障害などの回復の具体例、そのメカニズムについて、詳細に語ってもらった。また、今後の医療経済へのインパクトなどにも触れている。

 本望氏自身は決して誇示しないが、我々がこの治療の客観的評価を尋ねた識者はこう表現した。「ペニシリンを発見したフレミング以来の大発見」だ、と。インタビューで語られた数々の事実からは、これが決して大げさな表現ではないと実感してもらえるだろう。

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