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「同化主義」を採用せよという真意とは

「6つの過ち」でとくに興味深いのは、移民受け入れにあたって「多文化主義」を採用するのは「誤り」で、「同化主義」を採用せよ、との指摘だろう。

「いきなりこう申し上げると戸惑う読者が多いかもしれませんが、移民受け入れに必要なのは、『多文化主義』ではなく『同化主義』です。

『多文化主義』とは、『同化主義』よりも聞こえは良いですが、要するに『移民隔離』政策です。

 移民にとって可能な未来は、『同化』か『隔離』の2つしかありません。そして移民にとっての究極的な運命は、『同化』しかありません。長いスパンで見れば、受け入れ国にとって移民を『隔離』するのは、持続可能な解決策とはみなせないからです。

 ヨーロッパでは、かつて英国やドイツが多文化主義を唱え、『移民を無理に統合させようとせず彼らの自主性に任せる』という政策を採りました。しかし、結局うまくいきませんでした」

 その上でトッド氏はこう述べている。

「まず日本は自信を持つことです。日本の文化は、間違いなく、人類史の素晴らしい達成の一つです。実際、日本文化に魅了されて、多くの外国人が日本にやって来ています。

 そのようにやって来た外国人が長く定住するようになれば、次第に日本社会に属することを誇りに思い、さらには『日本人になりたい』と思うはずです。

 日本は、そのくらいの自信を持った方がいい。自信をもって外国人に寛容に接すれば、必ずや『同化』は成功するはずです」

文藝春秋6月号

 日本の外国人労働者受け入れに関するトッド氏の提言「『日本人になりたい外国人』は受け入れよ」は、「文藝春秋」6月号に全文掲載されている。

「人口減少」や「移民問題」をいち早く経験し、克服してきたフランス。かの国を代表する顕学の金言に、いまこそ耳を傾けるべきだろう。