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「共産党も変わったなぁ」 “ソフト路線”は皇室ブームへの危機感

ピアノの腕前は玄人はだしの志位氏 ©文藝春秋

「共産党も変わったなぁ」

 5月9日、衆院本会議場。天皇陛下の即位を祝う賀詞が全会一致で議決。拍手する共産党の志位和夫委員長(64)の姿に、衆院事務方幹部は感慨深げにつぶやいた。

 共産党は平成への御代替わりの賀詞には反対。今年2月の平成の天皇陛下在位30年に祝意を示す賀詞も欠席している。本会議後、会見で志位氏は「天皇制は憲法上の制度。祝意を示すのは当然だ」と胸を張り、女性天皇、女性宮家創設にも「当然検討されるべきだ」と話した。確かに04年の綱領改定で、共産党は天皇制も自衛隊も事実上容認している。主導したのは当時議長だった不破哲三氏。「石橋を叩き割っても渡らない、と評される慎重派の志位氏は、今もどんな細かいことも不破氏に報告している」(党関係者)。

 理屈上は改定綱領が金科玉条だが、「ソフト路線」の背景には、譲位された上皇への感謝とともに広まる「皇室ブーム」への強い危機感がある。各社の世論調査では「皇室に親しみを持っている」が約8割。衆参W選も囁かれる中、国民民主党の一兵卒となった小沢一郎氏や他の野党幹部から「野党共闘するなら反皇室色を薄めるべきだ」との声が相次いでいるのだ。とはいえ、“天皇制打倒”が染み付いている党員も少なくない。