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世界で500台しかないフェラーリ売ります……逮捕された男は“伝説の走り屋”だった

 かつてスーパーカーへの愛を体現した男は、その幻影を売る犯罪者に成り果てていた。警視庁麻布署は5月9日、イタリアの高級外車「フェラーリ」の限定車を販売すると偽り、計約2億5000万円を騙し取ったとして、元カーディーラーの吉田栄一容疑者(57)ら2人の男を逮捕した。警視庁担当記者がその顛末を語る。

「吉田らはモナコの50代資産家男性に、世界で500台しかない『ラ・フェラーリ』を『特別なルートで仕入れることができる』と嘘をつき、16年までに4回にわたり代金を受け取った。しかし、2年経っても納品されないので男性が不審に思い、同署に相談していました。吉田は18年にもポルシェの限定車『ポルシェ918』を売ると言って、8500万円をだまし取った疑いでも起訴されています」

2013年に発売された「ラ・フェラーリ」 ©共同通信社

 ラ・フェラーリはフェラーリ初のハイブリッド車で、現在は3~4億円で取引されるマニア垂涎(すいぜん)の車だ。ポルシェ918も同様で、素人がおいそれと入手できるものではない。だが、吉田には「特別なルート」があると思わせるだけの経歴が備わっていた。