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楽天が携帯電話の使用料を大幅に下げる? 三木谷浩史が目指す「日本発のモバイル革命」とはーー文藝春秋特選記事

楽天の携帯キャリア事業参入に勝算はあるのか

文藝春秋5月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年4月12日)

「我々が実現した『完全仮想化クラウドネイティブネットワーク』は、世界初の技術で、これによって『日本発のモバイル革命』を起こせます」

 こう豪語するのは、楽天の三木谷浩史会長(54)だ。

三木谷氏

 楽天は、今年10月にNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの“3メガ”に次ぐ「第4のキャリア」として携帯電話事業に参入する。従来の「楽天モバイル」は他社から通信回線を借り受けていたが、遂に自前の回線を持つ通信事業者(キャリア)となるのだ。

 だが、その前途には不安の声が絶えない。というのも、「キャリア事業には莫大な設備投資が必要」という“常識”があるからだ。

 たとえば、ドコモは第四世代携帯電話(4G)への移行に4兆円近くを投じた。ところが、楽天が予定している設備投資額は約6000億円。市場の懸念を反映してか、キャリア事業参入表明直後、楽天の株価は約1割下落した。

 冒頭のように自信をのぞかせる三木谷氏だが、楽天のキャリア事業参入に勝算はあるのか? ジャーナリストの大西康之氏が三木谷氏を直撃した。

「仮想化」という画期的技術

――「設備投資額が物を言う」と言われるキャリア事業ですが、楽天の設備投資額は、他の“3メガ”の5分の1以下を予定しています。「大丈夫なのか?」という不安の声もあります。

三木谷 設備投資額が少なくて済むのは、むしろ我々の強みです。楽天がやろうとしているのは「携帯電話の民主化運動」。これを可能にしたのが、世界初の技術「完全仮想化ネットワーク」による通信ネットワークのオープン化です。