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 三木谷氏が語る「完全仮想化ネットワーク」の概要をまとめたのが図1だ。従来型の通信ネットワークでは、キャリアが通信機器メーカーに外注して自分たちのネットワーク専用のハードウェア(「専用ハード」)を作る。いわばオーダーメイドの機器だ。こうした高価な専用機器を全国の基地局に置くため、膨大なコストがかかる。

図1

 一方、今回、楽天が世界で初めて導入する方式では、専用ハードの主要な機能をソフトウェアが代替する(これを「仮想化」という)。高価な専用ハードは不要で、いわゆる汎用機(「汎用ハード」)、どこにでも売っているサーバーで済んでしまう。A社のハードが駄目ならB社、B社が駄目ならC社。どのメーカーの製品でも使えるオープンな仕組みだ。

 三木谷氏は、これを「携帯電話の民主化運動」と呼ぶ。そして、大幅に下げられた設備投資額は、携帯電話の利用料金にも反映できるという。

通信障害は起こらない?

――ただ、低料金でも安全性はどうですか? 昨年もソフトバンクの携帯で、広域で長時間にわたる通信障害が起き、問題となりました。

三木谷 あれは交換機(ハード)のソフトウェアの不具合が原因と聞いています。通信事業者からすると、通信機器メーカーが提供した専用ハードの中身は、いわば“ブラックボックス”。自分たちでは直せない。修理は、専用ハードのメーカーに頼むしかない。だから時間がかかる。不具合が起きても、他のハードに簡単には代替できない。専用ハードに依拠したネットワークは、トラブルに弱いと言えます。

最先端の試験施設をお披露目

――楽天の方式では不具合は起きないのですか?

三木谷 可能性は、もちろんゼロではありません。ただ、仮に不具合が起きても、瞬時に予備ソフトへ切り替え、サービスを中断することなく提供できます。プログラムのバグも早期に発見でき、迅速に対応できます。ここに完全仮想化ネットワークの強みがあります。専用ハードに依拠したネットワークよりも、リスクを減らせるのです。

文藝春秋5月号

 このほか「完全仮想化ネットワーク」の料金や安全面に加え、開発を主導した技術者チームの存在、次世代通信システム「5G」の展望についても三木谷氏が語った「日本発『世界モバイル革命』を起こす」は、「文藝春秋」5月号に全文掲載されている。

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