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2019/06/11

 番組の初回放送は2011年4月14日。所属していた国民的アイドルグループ・SMAPが人気絶頂の最中にスタートした、個人の冠番組だ。

「子供の頃は、本を読むことが好きでした。教室の後ろに学級文庫として並べてある、ポプラ社の『アルセーヌ・ルパン』とか『シャーロック・ホームズ』とか、江戸川乱歩の『少年探偵団』はよく読んでいましたね。それと、僕は板橋区高島平の出身なんですが、小学校5年生の時に地元に立派な図書館ができたんです。15歳でグループになって合宿所生活が始まるまでは、頻繁に通っていました。本屋さんとはまたちょっと違う本の香りがして、1階から2階への通路がらせん階段になっている、お城みたいな雰囲気の建物が素敵だった。本を読むのも好きだったけど、“その空間にいる自分”が好きでした」

“あの頃”の自分の感覚に戻りたい気持ちがあった

 しかし、芸能活動を始めてからは本を読む時間は減っていった。

「自分が出演する作品の原作を手に取るだとか、人から強く勧められたら読む程度でした。心のどこかで、“あの頃”の自分の感覚に戻りたい気持ちがあったと思うんです。だから新番組では課題図書を週一冊、必ず読んできてもらいたいんですとスタッフさんに言われた時は、嬉しかった。本との関係をもう一度やり直せる、と思ったんです。ゲストと対面で、じっくり話し合うような番組をやりたいという気持ちも強かったんですよ。

 僕はグループの中ではMCのイメージはなかったと思うし、中居さんのようにたくさんのゲストを呼んだスタジオバラエティの司会はできないけれど、このやり方ならできるかもしれない。グループとしての活動が忙しくなっている時だからこそ、個人として成長しておきたいと思ったかもしれません」

 スタッフから渡され、週に一冊ペースで読むことが義務付けられた課題図書は、自分の興味のフィールドから遠い場合も多かった。それを読むことは苦ではなく、喜びだったそうだ。

「人って好きなものばっかり吸収していると、本当のインプットにならないと思うんですよね。食べ物でもそうじゃないですか。好きなものばかり食べていると栄養が偏っていってしまうし、食わず嫌いで避けてしまったものの中に、自分のすごく好きなものが混じっているかもしれない。もちろん、興味のあるジャンルを突き詰めていくことも素敵なことだけど、僕は本に関していうと、幅広く知りたいなと思うんです」

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インタビュー全文と、カラーグラビアは「週刊文春WOMAN」(vol.2 2019GW号)にて掲載中。

いながきごろう

1973年東京都生まれ。91年CDデビュー。声優として参加した映画『海獣の子供』が6月7日公開。手塚治虫の問題作を映画化した主演作『ばるぼら』も今年公開予定。

週刊文春WOMAN 2019GW (文春ムック)

 

文藝春秋

2019年4月26日 発売

取材構成:吉田大助
ヘア&メイクアップ:金田順子
スタイリング:黒澤彰乃