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中学校で教わる数学が、わずか5~6時間でわかってしまう方法とは?

『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』(西成活裕 著)――ベストセラー解剖

2019/06/12
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『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』(西成活裕 著/聞き手 郷和貴)

 裏表紙に躍る〈中学生は決して読まないでください〉という文言。通読すれば、それも納得。二次方程式や関数など、中学校で教わる主な数学が、わずか5~6時間の読書時間で腑に落ちてしまう。そんなキケンな書籍がヒット中だ。

「私は根っからの文系人間で、数式や数字を見るだけで軽く頭が痛くなってしまうほどでした。そこで著者の西成先生に、数字嫌いを直すための本を作れないかと相談したところ、そのものずばりの企画を提案されたんです。本の元になった取材時間も約6時間。それで私も、同じく数学の苦手なライターさんも、しっかりと中学数学が理解できました。先生のユニークな語り口を活かしつつ、内容にいつわりなしの本ができたと自負しています」(担当編集者の古川有衣子さん)

 対話形式の本文が、可読性を高めている。

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「今の読者に親しみやすい、LINEでの会話に近い雰囲気を出したかったんです。その効果もあってか、女性読者がとても多いです。理工書の読者は通常ほとんどが男性なのですが、この本の男女比は4対6。年齢層は30代から40代が中心で、学び直しの需要にくわえて、お子さんに勉強を教えるために手にとる方も多いようです」(古川さん)

 売れ方が、60万部を超す同版元の『英単語の語源図鑑』と似ているとか。このまま大ヒットなるか!?

2019年1月発売。初版5000部。現在7刷15万部

中学校で教わる数学が、わずか5~6時間でわかってしまう方法とは?

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