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まもなく株主総会 リクシル前社長・瀬戸氏はなぜ泣き寝入りせず、潮田氏と戦うのかーー文藝春秋特選記事

潮田氏はいまなお会社を実質的に支配している

2019/06/21

文藝春秋6月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年5月20日)

 住設機器大手のLIXILグループで混乱が続いている。

 始まりは、LIXILグループの前身会社の1社である旧トステム創業家出身の潮田洋一郎氏が昨秋、CEO(最高経営責任者)だった瀬戸欣哉氏を事実上解任したことだった。その経緯が不透明だとして英米の機関投資家などが反発、CEOに復帰した潮田洋一郎氏などの解任を求めた。

潮田氏

 声をあげた4社の機関投資家は、普段、投資先企業と敵対することはなく、話し合いを重視する投資スタンス。いわば「物言わぬ株主」だが、そうした穏健派のファンドが解任要求という穏やかではない行動に出たのは、LIXILグループのコーポレートガバナンスが健全性を欠いていると判断したためだ。

潮田氏は会社を実質的に支配

 潮田氏はLIXILグループ株を約3%しか保有していない少数株主。しかし指名委員会等設置会社であるLIXILグループの指名委員会や取締役会のメンバーを自身のシンパで固め、会社を実質的に支配している。

 機関投資家などは、潮田氏が経営路線を巡って対立関係にあった瀬戸氏を解任したのはその典型例と見た。一般投資家から巨額の資金を集め、株式投資などを通じて運用している立場として、コーポレートガバナンスが不健全な企業への投資を続けるわけにはいかず、潮田氏らを解任し、是正することを求めた。

 4月18日、潮田氏は記者会見を開き、5月20日に取締役を辞任、6月に開かれる株主総会をもってCEOも辞すると発表した。一見、機関投資家の要求を受け入れたように見えるが、記者会見で語った「アドバイザーをやってくれと言われれば考える」という発言が「なお社内に影響力を残そうとしているのではないか」という憶測を呼んだ。