昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

在日カナダ人の僕が、阪神のマット・マートンを忘れられない理由

2019/07/01

 歴代阪神タイガースで一番好きな選手は誰か、と聞かれたら、即答できる。答えはマット・マートン。赤毛がトレードマークの闘争心あふれる選手で、フィールドでのパフォーマンスだけでなく、スタジアムの外で見せた気さくさでファンに愛された。

 マートンはタイガース入団後初のシーズン(2010年)に214本の安打を放ち、イチローによる日本プロ野球のシーズン最多安打記録を塗り替えた選手だ。オールスターゲームに4回出場し、ベストナイン4回、2014年は首位打者のタイトルを獲得(最終打率は.338)。阪神在籍中の通算安打数は1020で阪神の歴代外国人選手の中では最多、通算打率は .310で、歴代選手中2位だ(1位は伝説の選手、ランディ・バース)

2010年10月5日、ヤクルト戦の2回、イチローのプロ野球記録を更新するシーズン211安打を放ち、花束を手にファンにあいさつするマット・マートン ©共同通信社

 フィールドの外ではツーショットやサインに喜んで応じ、ファンとのおしゃべりにまで興じて人気者になった。阪神に在籍中の6年間、家族でUSJに行っているのにもかかわらず、たくさんのファンと撮った写真がSNSにアップされることが多々あった。

阪神に関するブログを始めてみたら?

 わたしは阪神ファンとして、マートンが在籍した最後の1.5年間しか立ち会えなかったけれども、タイガースにハマったのは彼の影響が大きい。

 ときは2014年。わたしはライティングスキルと、スポーツへの熱意を何かに使えないかと模索していた。そんなときに、誰かが「阪神タイガースに関するブログを始めてみたら?」と提案してくれたのだ。

 考えてみたら、阪神のマット・マートンという選手については聞いたことがあった。彼が友人の通っている神戸の教会にたまに来ることも聞いていた。グーグル検索をかけてみたところ、彼が日本で何をしているのか、英語ではほとんどなにも上がってこなかった。