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G20大阪サミット開幕 テロ対策の切り札は「ドローン検知器」と「兆情報」

2019/06/28

 6月28日、29日の日程で行われる「G20サミット」。会場となる大阪では、大規模警備が行われている。テロ対策の切り札として、機体と操縦者の位置を特定できるとされる「ドローン検知器」が取り入れられ、さらに様々な情報をもとにしたテロなどの兆候(通称「兆」きざし)をインテリジェンス活動に活用しているという。菅義偉内閣官房長官がサミット会場「インテックス大阪」を事前に電撃視察するなど、官邸もG20警備に前のめりな姿勢を見せた理由は何なのか。ジャーナリストの今井良氏が解説する。

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G20は来年の東京五輪に向けての警備前哨戦

「今後の都市部における大規模警備の試金石になると考えています」

 今月20日。大阪府警本部の会見室で、府警本部長の石田高久警視監が記者クラブ員たちを見渡しながらこう述べた。

 石田府警本部長は今月28、29日に開催される20カ国・地域首脳会議、通称「G20サミット」の大阪府内の警備に警察官約3万人態勢で臨むことを明らかにした。兵庫県内などを含めると最大約3万2000人が投入される計算になる。

 内訳は大阪府警が約1万2000人、46都道府県警から大阪への特別派遣部隊が約1万8000人、兵庫県内などが約2000人。大阪での大規模警備は1995年のアジア太平洋経済協力会議「APEC」以来となる。

 石田本部長は1985年に警察庁に入庁。生活安全部門畑が長い経験豊富な警察キャリアである。その石田本部長には異色の経歴がある。2001年には、翌年の日韓共催のサッカーワールドカップ大会に関わり、「2002年ワールドカップサッカー大会日本組織委員会セキュリティ部長」を務めている。つまり、国際スポーツイベントの警備は経験済なのである。この石田本部長を配置した人事は、日本警察トップの栗生俊一警察庁長官の強い意向とされている。さらに政府関係者によると、栗生長官は官邸幹部から、G20での警備強化を下命されていたという。

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「警察組織内部では、今回のG20は来年の東京五輪に向けての警備前哨戦との見方が大勢を占めている。世界中のVIPが一堂に会するサミットだから、警備における緊張の度合い、責任は東京五輪に匹敵するものだ」(政府関係者)