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元巨人ドラフト1位投手が反社会勢力に提供した“裏サービス”とは?

高校時代はエース、4番として活躍した林 ©共同通信社

 兜町にマウンドを移した元巨人ドラフト1位投手は、とんでもないビーンボールを投げてしまったようだ。

 東京地検特捜部は6月20日、証券会社「東郷証券」(東京都)の取締役で実質経営者、林泰宏容疑者(58)ら4人を逮捕。容疑は外国為替証拠金取引(FX)で顧客の損失を補填したとする、金融商品取引法違反(損失補填)である。

 社会部記者が解説する。

「林らは2016年7月~今年1月、FX取引で損失を出した顧客に対し、計約6900万円を補填した疑いが持たれています。損失補填は、バブル期に証券会社が反社会勢力を含む得意先にだけ提供していた、いわば『裏サービス』。バブルの負の側面としてバブル崩壊後に立件され、一大社会問題になりました。損失補填の刑事事件による立件は約20年ぶりになります」

 林は市立尼崎高から79年、巨人にドラフト1位指名され、投手として入団。制球難に苦しみ、近鉄、大洋と渡り歩くも一度も一軍で登板することなく、85年に引退した。その後は球界に残る道を断ち、当時バブルの絶頂期に入りつつある、札束の舞う兜町へと足を踏み入れた。証券会社から誘いを受けたという。

 営業手法は野球でいえば、気合一本の根性野球。部下を怒鳴りつける強引な仕事で成果を上げ、05年には「入や萬成証券」の社長に就任した。

「メディアでも『華麗な転身』と話題になりました」(同前)