昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載すごいアート

散逸、接収、そして返還……松方コレクションの数奇な歴史とは

『松方コレクション展』――すごいアート

2019/07/05

 ゴッホの名作《アルルの寝室》。日本でいつでもこの絵を見ることができたかもしれない……。「松方コレクション展」を観た後、そんな風に思ってしまう人は少なくないだろう。

 松方幸次郎は、一九二二年、パリでこの絵を買う。造船業で財を成した彼は、名画を買い集め、日本で美術館を設立しようと考えた。モネから《睡蓮》を購入するなど、十年間に約三千点の絵を収集する。

 その後、不況により松方の収集品は散逸。フランスに置いてあった《アルルの寝室》などは大戦中、敵国人財産として接収された。戦後、仏政府は美術館設置を条件にそれらを返還するとし、国立西洋美術館が誕生することになる。

 しかし《アルルの寝室》など重要作十八点は返ってこなかった。展覧会ではそうしたコレクションが久方ぶりに再会する。松方の人生と名画が辿った運命とは? 美術館誕生に帰着する数奇な歴史を見つめてみたい。

INFORMATION

『松方コレクション展』
~9月23日 国立西洋美術館 03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://artexhibition.jp/matsukata2019/