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連載シネマチャート

14歳の息子が見た“壊れゆく家族”の姿――ポール・ダノ監督デビュー作「ワイルドライフ」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

1960年代、カナダとの国境に近いモンタナ州の田舎町。14歳のジョー(エド・オクセンボールド)は、父ジェリー(ジェイク・ギレンホール)の仕事のために、母ジャネット(キャリー・マリガン)とこの町に越してきた。ようやく生活が軌道に乗り始めた矢先に、ジェリーが解雇され、失業してしまう。次第に夫婦仲が険悪になり、ジェリーは山火事を消す出稼ぎ仕事に旅立ってしまう。ジョーは、日々の生活と将来への不安に苦悶する母をなんとか支えようとするが、ジャネットは地元の有力者である中年男のミラーを頼り、親密になっていく。初雪の日、山での仕事を終えて数カ月ぶりに帰宅したジェリーに、ジャネットは予想外の告白をする。

〈解説〉

俳優ポール・ダノの長編監督デビュー作。壊れゆく家族の姿を、14歳の息子の目線で描く。105分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆贔屓のP・ダノ、初監督作は意外にもシリアス。母親の憤懣に首を捻りつつも田舎町の倦怠感や清冽な空気など胸にしみる。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆固定キャメラに応えたC・マリガンのささくれ方が見もの。打球は意外に伸びないが、生活まで焼く山火事の呪力が脅威。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆こじれた想いがこじれたままでも家族という形で関係は継続する、感情まみれの各々の孤独は切実に面倒でやるせない。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆未熟者達のチームという視座で家族の試練を見据えた秀作。辛い話だが根底に人間の業の肯定があり、優しさを感じる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆一場面ごとに丁寧に描写された家族の心象と脚色。初監督にしてこのセンスのよさはさすが。秀逸な小説の読後感の余韻。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

「ワイルドライフ」(米)
7月5日(金)YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開
監督:ポール・ダノ
出演者:キャリー・マリガン、ジェイク・ギレンホール、エド・オクセンボールド、ビル・キャンプ ほか
http://wildlife-movie.jp/