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「近所の人に聞こえるので……」 フィリピンで拘束された「漫画村」元運営者、母親が語っていた「息子のこと」

 著作権を無視した海賊版サイト「漫画村」の元運営者をマニラ空港で拘束したと、フィリピン入国管理局が明らかにした。拘束されたのは星野ロミ容疑者。著作権法違反の容疑で日本の捜査当局から指名手配を受けており、今後強制送還される見通しだという。「週刊文春」は以前、星野氏の母親に接触しており、当時の記事を再公開する。(初出:2019年5月7日 文中のX氏は星野容疑者)

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〈もう一度、マンガ読もうぜ!!〉

​ いけしゃあしゃあとこう謳っていたのは、著作権を無視した海賊版サイト「漫画村」だ。紛うことなき違法行為だが、いまだサイト運営者X氏(20代後半の男性)は逮捕されておらず、所在不明。そこで、「週刊文春」が行方を追ってみると……。

現在は閉鎖された「漫画村」

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 漫画村騒動についてIT担当記者が解説する。

「政府は昨年4月に、漫画や動画を違法にアップロードする海賊版サイトについて、本格的に対策を進めることを発表。そのひとつが、サイトへのアクセスを遮断するブロッキングでした。しかし、有識者などから『明確な法的根拠がない』『通信の秘密や、表現の自由の侵害につながりかねない』などと反発が起こり、法制化は見送りになりました」

 政府はこの際、主要海賊版サイトとして3つを名指しした。そのひとつが「漫画村」だった。

「漫画村には、人気漫画や写真集などが違法に掲載されており、誰でも無料で閲覧できました。昨年4月に閉鎖されましたが、直前の月間アクセス数は約1億6000万。CODA(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構)は漫画村による被害額を約3000億円と試算しています。サーバーの解析などによって運営者は特定されましたが、それ以降、捜査に目立った動きはありません」(同前)

 そんな中、都内にある運営者X氏のかつての自宅を突き止め、呼び鈴を鳴らした。

 こぎれいな身なりの、母親と思しき50絡みの女性が顔を見せる。記者が質問を始めると、「近所の人に聞こえるので……」と周囲を気遣いながら小声で答えた。