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川上弘美・山田詠美・綿矢りさが明かす「田辺聖子という生き方」

ちょっと意地悪で、辛辣で、面白いお姉さんだった――

キュンとくる感性が一緒だった

綿矢 田辺先生のお書きになる晩酌には憧れますよね……。

山田 それは、相手がカモカのおっちゃんだからという面もある。対談では、互いの男がどう愛おしいかという話になったんです。田辺さんが初めておっちゃんの診療所に行ったとき、脱脂綿を入れたガラス瓶があった。そこに貼ってあるラベルに、マジックで「わた」って書いてあるのを見て、心動かされたとおっしゃっていました。その気持ちが私にはわかります。

「カモカのおっちゃん」のモデルにもなった夫・川野純夫さんとともに ©丸山洋平/文藝春秋

川上 うん、うん、わかる(笑)。

山田 田辺さんとは年が離れていても、キュンとくる感性が共通なんだと思えてうれしかった。結局あの対談って、私、のろけられている一方だったんだけど(笑)。

山田詠美さん ©文藝春秋

 田辺さんは1987年から18年間、直木賞の選考委員をつとめた。3人の話は、山田さんが芥川賞選考委員となった際のエピソードに移ったが……。