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「あ、とうとう来たんだ」八千草薫が初めて明かす“がん闘病”

自分の「死」が近づいたことを感じました

「診断が出たとき、私は意外とショックを受けませんでした。その時、どんな感情だったのかを表現するのは難しいのですが、『あ、とうとう来たんだ』という感覚でした。そうやって現実がすとんと、自分の中に落ちてきたのです」

 柔らかな口調でこう語るのは、女優の八千草薫さん(88)だ。

©馬場わかな

 今年2月、ヒロイン役を務める予定だったテレビドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日)を、体調不良を理由に一部降板。それと同時に所属事務所のホームページで「がん闘病中」であることを公表した。

 現在も療養生活を続けている八千草さんが、病気を通して考えたこと、これまでの女優人生、人生の心構えなどを語った。

精一杯生きていくしかない

「(自分や病気のことについて話すのは)なんだか恥ずかしいですが……」

 インタビュー会場となる会議室に現れた八千草さんは、そう言ってはにかみ、言葉を選びながらゆっくりと語りはじめた。その言葉はしっかりとした重みを持ちながら、どこか軽やかでもあり、会議室はふんわりとした心地よい空気に満たされていった。 

『やすらぎの刻~道』の収録風景 ©馬場わかな

「今の私は80歳を超えていて、この先そんなに長く生きる年齢ではない。寿命がすぐそこに見えているという事実が、私を冷静にさせました。それに、くよくよ悩んだからといって病気は治りません。『まぁ、病気になってしまったものは、しょうがないな』そう思って、日々をしっかりと、精一杯生きていくしかないのだと思います。決して強がりを言っているのではありませんよ(笑)」