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「水ばかりではだめ」炭酸水、ルイボス茶、黒豆茶

 熱中症予防と言えば、誰に聞いても勧められるのが水分補給だ。もちろん大切なことだが、水をガブガブ飲むだけでは、血中の水分量は増えない。おやつや食事と一緒に水分を摂るなど、こまめに飲むことが重要だ。

「水ばかりだと体内のミネラル分が薄まり、尿などで排泄されてしまうため脱水回復にならず、熱痙攣の原因にもなります。いくら水を飲んでも喉が渇く、ちょっとふらつく、なんとなくだるい、といった初期の脱水症状があるときは、ナトリウム分が速やかに吸収される経口補水液などを早めに飲むのがおすすめです」(前出・能勢教授)

 漢方の世界でも水の飲みすぎを戒める教えがある。

 前出の渡辺教授の話。

「夏にめまいや立ちくらみ、頭が重くなるといった症状を訴える人が結構います。

 これは『水毒』といい、体内での水のバランスが悪くなっている状態です。水分補給として水を飲むことはいいのですが、必要以上な分は排出しなければならない。ところが冷房の影響で汗をかきにくくなっており、体内に余分な水分をため過ぎてしまうのです。

 そういう時には、多少利尿作用のあるルイボス茶や黒豆茶がいいでしょう。漢方薬であれば、五苓散(ごれいさん)を処方します」

 消化管を刺激する炭酸水もオススメだという。食前にビールやシャンパンを飲むと食欲が湧くのと同じメカニズムだ。

チョコレートは血流を良くする

 朝食にスムージーを加えることを勧めるのは、前出の大澤客員教授。

「高カカオチョコレートを1日25g、4週間食べ続けると、血流が改善するという結果が出ています。このチョコレートと、発汗で失われるカリウムなどのミネラルを豊富に含んだベリー類、果物、野菜をスムージーにすれば、効率よくいろいろな成分が摂取できます」

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 日本薬科大学学長の丁宗鐵氏は、アルコールならこんな飲み方もいいと言う。

「漢方では、生薬の五味子(ごみし)が夏バテにいい。清涼作用があり、疲れた肝臓を保護してくれます。これをホワイトリカーに漬けておいて、サワーにして飲めば、いい暑気払いになりますよ」