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なかなか指名されない日本の記者

 その最中に行われたのが、文氏の年頭会見だ。大統領が入場する際には「拍手して出迎えるように」とアナウンスが流れたという。

「支持率が低下する中、“庶民派大統領”とアピールするため、異例ですが、自ら記者を指名する方式で行われました。海外メディアが座るエリアが決まっており、国内メディアと交互に当てていましたが、人民日報やワシントン・ポストの記者ばかり。日本の記者はなかなか指名されませんでした」(ソウル特派員)

文大統領は“韓国の鳩山由紀夫” ©共同通信社

 ところが、ハプニングが起きる。文氏がイギリス人の女性記者を指した際、前のめりで挙手していたNHKのソウル支局長が立ち上がり、回ってきたマイクを手に質問を始めたのだ。

「文氏は『アニアニ(違う違う)』と慌てていた。日韓関係に触れたくなかったのでしょう。大法院判決について政府の考えを問われると、文氏は5秒ほど考えこんだ後に、持論を語り出しました」(同前)

 そこで、飛び出したのが「日本政府は謙虚に」という発言だった。

菅氏が激怒する秘書室長の投獄

「文氏の頭にあるのは日本との関係改善ではなく、朴槿恵政権時代の不正を糾(ただ)す『積弊清算』、そして北朝鮮のことです」(同前)

収監中の朴槿恵 ©共同通信社

 実は文政権では、15年12月の慰安婦合意などに携わった日本担当外交官らが続々と更迭されている。

「シンガポール大使に着任した李相徳氏が昨年1月、突然、帰任命令を受けました。朴槿恵政権で東北アジア局長だった人物です。慰安婦合意の実務責任者だったことが問題視されたと見られます。将来を嘱望されていましたが、今は閑職に追いやられている。昨年秋には、国政監査で駐日韓国大使館を訪れた与党議員が『親日派が残っている』と騒ぎ出し、国情院から派遣されていた参事官が更迭されるという一件もありました」(韓国外交部関係者)

 17年11月には、朴槿恵政権の“崔順実ゲート事件”に関連し、慰安婦合意に貢献した李丙琪・元大統領秘書室長が逮捕。実刑3年半の判決を受けている。

「李丙琪氏は駐日大使時代に菅氏との関係を深め、両者のホットラインもあって、慰安婦合意は実現しました。菅氏は今でも折に触れ、彼の話題を出して『李丙琪先生』と呼んでいる。その“先生”を投獄する文氏のやり方に菅氏は激怒しています」(官邸関係者)