昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

文大統領の“理論的支柱”は「陰の朝鮮労働党員」

 そんな文氏が“理論的支柱”と頼っていると言われるのが、韓明淑元首相の夫、朴聖焌氏だ。韓信大学教授で「陰の朝鮮労働党員」とも呼ばれる人物だという。

日本大使館前の慰安婦像 ©共同通信社

「彼はソウル大学の学生だった1968年、『統一革命党事件』で検挙されました。統一革命党は北朝鮮の“主体思想”を指導理念とし、北朝鮮から資金提供と指示を受けた韓国の地下組織。その傘下のサークルを主導し、15年の実刑判決を受けました。今も『米国の傀儡(かいらい)で初代大統領になった李承晩よりも、日本統治時代にパルチザンとして抗日運動を行った金日成に正当性がある』と唱えており、文氏の“南北中心外交”を支えている。他にも“386世代”と呼ばれる学生時代、民主化運動に関わった親北左派の面々が文政権で影響力を行使しています」(前出・韓国外交部関係者)

 日韓関係が悪化の一途を辿る中、元旦に文氏が電話会談したのも、1910年の日韓併合に抵抗した「愛国志士」だった。その1人、今年100歳を迎えるイム・ウチョル氏には「3・1運動(日本からの独立運動)100周年だから感慨も一入(ひとしお)でしょう」と伝えている。年明けに来日していた韓日議連会長の姜昌一議員も小誌に「青瓦台は韓日問題よりも、3・1運動の100周年式典の準備で忙しい」と語る。

 元駐韓特命全権大使の武藤正敏氏の解説。

「文氏は日本にはそこまで関心がありません。徴用工問題にしても、対応策の検討は李洛淵首相に任せっ放し。こうした難しい問題こそ、大統領自身が指導力を発揮するべきなのに、逃げ続けているのです」

日本の政治家に見せる“八方美人”な態度

 南北融和に傾注し、日本への関心が薄いという文氏だが、実際に日本の政治家と対峙すると、こんな“八方美人”な態度を見せるという。12月14日、額賀福志郎元防衛相ら訪韓していた日本の日韓議連メンバー約10名と会談した。

手を繋いで軍事境界線を越える金正恩と文在寅 ©共同通信社

「文氏は出席予定ではなかったのですが、直前になって会うことになりました。青瓦台の長いテーブルで、約30分の会談が行われた。文氏は終始にこやかで、日本の議員1人ひとりと青瓦台のクリスマスツリーの前で2ショット写真を撮りました」(出席者)

 文氏の“八方美人”ぶりは、安倍首相との首脳会談でもたびたび見られる光景だ。首相周辺が明かす。

「金正恩との南北会談前には『拉致は伝えます。任せて欲しい』と伝えてきましたが、首相も『ころころ態度が変わるから信用できない』と嘆いていました。実際、徴用工判決についても、昨年2月の平昌五輪の頃は『国内は抑えます。合理的な判決になるでしょう』と調子の良いことを言っていましたが、9月の日韓首脳会談の際は『やはり厳しい状況になってきた』とトーンを変えてきたのです」