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ドイツ・メルケル首相 2人の女性後継候補を抜擢の裏に2つの不安

2019/07/31

 ベルリンがサプライズ人事で揺れている。7月17日、ドイツのメルケル首相(65)は、クランプカレンバウアー氏(56)をドイツ国防大臣に電撃就任させた。クランプカレンバウアー氏は「ミニ・メルケル」と称されるなど、次期首相の最有力候補である。

 前任の国防大臣は、初の女性欧州委員長となるウルズラ・フォン・デア・ライエン氏(60)だった。彼女も後継候補の1人である。

クランプカレンバウアー氏 ©共同通信社

「クランプカレンバウアー氏は、昨年12月にCDU(キリスト教民主同盟)党首に就任したばかり。次期首相の最有力候補と言われ、しばらくCDUの党務に専念すると見られていただけに、この抜擢は予想外だった」(現地ジャーナリスト)

 3期12年にわたりドイツ、そしてEUを牽引してきたメルケル氏。このサプライズ人事は、メルケル氏が抱える2つの不安要素を象徴しているといわれる。

 その1つが後継者問題。2021年にメルケル氏は任期満了を迎える。

「今年5月の欧州議会選挙でCDUは過去最低の得票率に終わるなど、クランプカレンバウアー氏の力量に疑問符がつき始めていた。一方、党内では彼女と党首選を争ったイェンス・シュパーン保健相や、フリードリヒ・メルツ氏に期待する声も増えている。メルケル氏は、クランプカレンバウアー氏に箔をつけさせるため重要ポストに据えるというウルトラCを繰り出す必要があった」(同前)