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閉経後に増える睡眠時無呼吸症候群

【実は女性に多いいびき】

 また、睡眠中に「いびきがうるさい」、「息をしていない」などと指摘されたら、睡眠時無呼吸症候群を疑うべきだ。

 そもそも、女性のいびきは音量が低いために見逃されがちだが、実は男性よりも危険なのだという。

「音量が小さいのは肺活量が小さいためです。つまり酸素吸入量が少ないため、男性よりも酸素不足に陥りやすいのです。また女性の場合は低血圧と貧血を合併していることが多いので、軽いいびきでも脳に酸素が届かず、結果、疲労回復できていないのです」(前出・梶本氏)

 横浜呼吸器クリニック院長の小野容明医師も語る。

「睡眠時無呼吸症候群というと働き盛りの肥満体の男性の持病というイメージがあるかもしれませんが、発症要因は〈顔面形態〉と〈肥満〉と〈加齢〉と考えられています。あごが小さい日本人女性はまだ若く、太っていなくてもかかる可能性があります。また、女性は閉経すると発症者が増えます。呼吸中枢を刺激し、上気道を拡張する働きを持つプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が大幅に減るためです。

 睡眠時無呼吸症候群は、主に肥満などにより、舌の根元が喉の上気道に落ち込むことが原因となるのですが、高齢者の多くは、脳の呼吸中枢による酸素と二酸化炭素の調節が上手くいかず、呼吸が止まってしまうことで生じるのです」

 中年と違って、高齢者の場合は症状も異なる。

「普通、睡眠時無呼吸症候群の重症度は1時間当たりの無呼吸の回数で測りますが、高齢者の場合は回数こそ少ないものの、一回一回の停止時間が長くなり、2~3分も呼吸が止まっていることもある」(同前)

 睡眠時無呼吸症候群になると夜の睡眠が浅くなるため、昼間に突然眠気を催し、運転中の事故死の原因にもなりかねない。きちんと検査をして、上気道を確保するCPAPやマウスピースなどの医療機器により治療をすることが望ましい。

【依存度の少ない睡眠薬は?】

 最後に「睡眠薬との付き合い方」も紹介しよう。前出の三島医師が語る。

「日本で処方される睡眠薬の7割がベンゾジアゼピン系と呼ばれる種類で、これは、ふらつきによる転倒や、認知機能の低下などの副作用があります。さらには、急にやめると、動悸や発汗、痙攣などの禁断症状が生じるので依存性もある。勝手に断薬することは禁物で、医師と相談しながら少しずつ減薬してください」

 そのうえで、三島医師は次のようにアドバイスする。

非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬などの最近の睡眠薬は安全性が確認され、依存性も少ないです。ただ、服用するタイミングには気を付けてください。高齢者では食後すぐに服用し、その後、寝るまでの間にフラついて転倒するケースが多い。服用は寝る直前にしてください」

 今日からでも始められる対処法で快適な睡眠を手に入れよう。

睡眠薬の服用は寝る直前!
 
睡眠薬の服用は寝る直前!