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トンカツが食卓から消える日 「アフリカ豚コレラ」が日本を襲う

 トンカツが庶民の食卓から消える日が来るかもしれない。

 警視庁生活環境課は7月23日、ベトナム人留学生の女、ハック・ティ・フォン・リン容疑者(23)を逮捕したと発表。容疑は豚肉などの輸入が禁止されているベトナムから、豚肉や卵を密輸した家畜伝染病予防法違反だ。

 警視庁担当記者が解説する。

「ハックはベトナムから羽田空港に降りた6月13日、大きな段ボールを持って外に出ようとしたところを農林水産省の検疫官に呼び止められた。箱の中身は香辛料をかけてバナナの葉でまいた豚の生肉350本(約10キロ)と、孵化しかけのアヒルの卵約360個(約25キロ)。問題なのは、豚肉の一部からアフリカ豚コレラウイルスの遺伝子が検出されたことです」

三重の養豚場で作業する自衛隊員 ©共同通信社

 アフリカ豚コレラは豚や猪に感染するコレラの中でも“最凶”の病気。有効なワクチンや治療法はなく、致死率はほぼ100%だ。アフリカ、欧州で猛威をふるってきたが、昨年8月、世界最大の養豚国、中国でも発生。今年の中国の生産量は3分の1に激減する見込みで、5月のG20の農相会議でも議題に上るなど大問題となっている。

 日本でもアフリカ豚コレラではないが、豚コレラが流行の兆しを見せている。昨年9月の岐阜での確認後、7月24日には三重でも確認。アフリカ豚コレラウイルスも今年1月に中国から持ち込まれた肉から見つかり、国を挙げて警戒を強めていた矢先の今回の事件だったわけだ。