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夏の甲子園42試合生観戦してわかった、楽天が獲得すべき選手たち

文春野球コラム ペナントレース2019

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 第101回全国高校野球選手権大会は履正社(大阪)が星稜(石川)を5-3で下し、初優勝を飾った。これは決勝戦前日の話である。

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 盛り上がりを見せた第101回夏の選手権大会も残すところ明日の決勝戦を残すのみ、本日8月21日が文春野球コラム締め切り日なのだが、有り難い事にこの他にお仕事が2つ。これは午前中に書き終えておきたいところだが、明日決勝戦を行う履正社と星稜が朝から軽めの練習をするという情報を聞きつけてしまった。どうしようかと考えながら地下鉄、阪急電車と乗り継ぎ気づけば豊中ローズ球場に……。

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 そもそも記者でもないのに練習見学などできるのか? 最悪球場外から履正社の打球音と飛行機の着陸音をBGMにコラムを書こうかとも思ったが、すんなり入る事ができた。取材記者以外は近所の子供達がほとんど、内野ノックをうける野手をフェンスにかじりついて見つめている。

かみじょう「バットにボールが当たる前から内野手の足の動きを見ときや! 準備が大事なんやで」

子供達「はい!」

 どの口がいうとんねん。はよコラム書かんかい。

 ちゅうことで現在履正社の練習終わりに球場外で書いてます。今年もこの時期なんで、ここまで42試合を甲子園で生観戦した私がドラフトで楽天イーグルスが獲得すべきだと感じた選手を紹介したいと思います!

楽天が獲得すべきだと感じた選手たち

 まずはいいショートとキャッチャーがいればとりあえず獲得に動け!というドラフトの鉄則から智弁和歌山の東妻純平捕手を挙げたい。星稜の山瀬慎之助に近江の有馬諒、中京学院大中京の藤田健斗と素晴らしい捕手は沢山いたが、彼の雰囲気が嶋捕手とむちゃくちゃ似ていて惹かれた。誰よりも監督から叱られ、誰よりも練習し、誰よりもチームを引っ張っていける選手。

 7点とられても11点とって勝つというイメージの智弁和歌山、今年は和歌山大会全5試合で失点1、甲子園も初戦、2回戦ともに1失点でご存知星稜との3回戦も延長14回まで1失点でエラーがなし。投手陣の成長を言われるが東妻捕手の安心感、リードがさえての結果だと思っている。それに加え、遠投130メートルの強肩。高嶋前監督からはセンバツ時の甲子園練習でホームからバックスクリーンに投げ込むパフォーマンスを提案されたほど(笑)。明徳義塾戦でみせた右中間深くに放ったホームランもインパクトがあったが、誰もが打てない時に勝負強さを発揮できるところがまさに嶋基宏ではないか!

智弁和歌山対星稜 激闘の末サヨナラで敗れた、智弁和歌山・東妻純平

 続いてはやはりショート。このポジションにも素晴らしい選手が沢山いた。鶴岡東の河野宏貴に八戸学院光星の武岡龍世、智弁学園の坂下翔馬など他にもたくさんの逸材はいたが、作新学院の石井巧がよかった。岡山学芸館戦も初回に2つファインプレーがあったが、どちらも球際に強く、三遊間を抜けそうな当たりも取ってからの送球が安定していた。智弁和歌山の高嶋仁前監督も守備とは取ることではなく正確な送球をさすと教えてくれた事がある。そしてバッターをみながら守備位置を変える事ができる洞察力、野球勘にも長けている選手と言える。作新学院で石井といえば、そう兄は北海道日本ハムファイターズの石井一成なのだ。小針監督曰く兄以上の才能と努力ができる才能を持ち合わせているという。本当に楽しみな選手である。

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