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2000人が死亡!? 熱中症 40℃の炎熱地獄からあなたを守る「救命マニュアル35」

水分補給に最適な飲み物、エアコンの稼働時間、服装は……

source : 週刊文春 2013年7月25日号

genre : ライフ, 医療, ヘルス, 社会

起きたら「コップ一杯」を習慣に

 水分補給は重要だが、(22)がぶ飲みは無意味。というのも、一度にたくさん水を飲んでも、小腸で水が吸収されるには30分から1時間もかかるからだ。しかも吸収できる量は、100~200ミリリットル、つまり約コップ1杯程。500ミリリットルのペットボトル一本を一気に飲み干しても、じつは半分も吸収されない。

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「1日に必要な水分量は2~2・5リットルとされています。食事で約1リットルは水分摂取していますので、残りを飲み物などで摂取する必要があるのですが、その際、(23)水よりも麦茶がおすすめ。緑茶やコーヒーにはカフェインが含まれるため、利尿作用が高いのですが、麦茶はノンカフェイン。また発汗により不足しがちなナトリウムやカリウムといったミネラル成分も豊富です」(星氏)

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「ノドの渇きにも鈍感になっているので、時間を決めて飲む習慣をつけて欲しいですね。(24)起床時にコップ1杯。その後、3回の食事とその前後、入浴前、寝る間際といった感じで積み上げていけばちょうどいいと思います」(三宅氏)

「ご高齢の方は特に、トイレが近いからと、水分を控える方もいます。ですが夜間の熱中症も恐いですから、出来れば(25)就寝前にコップ1杯飲んでいただきたいですね」(勝村氏)

経口補水液は「飲む点滴」

 バランスよく塩分と糖分を補給するのも肝要。よく「水よりもスポーツドリンクを」と言われる所以だが、吸収のスピードでいえばスポーツドリンクよりも、「経口補水液」の方が早い。

「ブドウ糖や電解質が配合されている経口補水液は、まさに『飲む点滴』です。スポーツドリンクとは吸収速度が決定的に違う。また、経口補水液は塩分がしっかりと入っており、糖分は少ない。(26)脱水症状が激しいときは経口補水液がいいでしょう」(谷口氏)

 市販されている経口補水液は、大塚製薬の「オーエスワン」。薬剤師がいるドラッグストアなどに置いてある。冷蔵庫に2、3本常備しておけば安心だ。

 オーエスワンには、ゼリータイプもある。これは咀嚼や嚥下が困難な人でも飲めるようにと配慮されて作られた。横向きに寝かされている場合でも、これなら誤嚥せずに水分補給できる。

 建築関係など炎天下で作業する人たちは、大量の汗をかくのでスポーツドリンクなどでは塩分補給が追いつかない。そんな彼らは、(27)「熱中飴」や「塩あめ」などナトリウム成分が豊富な飴が必需品。

「スポーツドリンクが苦手なお年よりも多いので、こうした飴が見直されています。ただ摂り過ぎには注意。あくまで、汗をたくさんかいたなという時に」(星氏)