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「女性が女性に抱く強い感情は百合」 いまこそ“百合マンガ”を読むべき理由【名作リストつき】

2019/08/20

source : 週刊文春WOMAN 2019夏号

genre : エンタメ, 読書, ライフスタイル

女性性に注目が集まるなか、百合マンガが人気を集めている。そもそも1970年代に、『薔薇族』の編集長が男性同性愛者を指す“薔薇族”の対義語として提唱したとされる“百合族”だが、現在の“百合”が意味するところは少し違うようだ。多様化の時代に花開いた百合マンガの今に迫った。

唯一の専門誌『コミック百合姫』の2019年9月号

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花開く百合マンガ市場。少年誌や青年誌にも進出

 近年、ドラマや映画といったエンターテインメントの領域で、女性同士の恋愛を描いた作品が目立つ。昨年12月には百合SFの特集が組まれた『SFマガジン』2月号に予約が殺到し、異例の出版前重版に踏み切った。それに先駆けて良作を生みだし続け、いままさに花開こうとしているのが百合マンガの世界だ。

 その勢いは少年誌や青年誌にも飛び火。『月刊コミック電撃大王』連載のやがて君になる(仲谷鳰)はシリーズ累計85万部のスマッシュヒット。書泉の古川航貴さんは、「ここ2年で百合マンガの棚が0から5つに増えました」と語り、元々は専門レーベルを持っていなかった出版社も次々に市場に参戦。アニメイト池袋本店の三枝謙介さんは、「最近は新規タイトルが増え、2年前は余裕があった百合棚3棚もいつの間にか全タイトル出しきれなくなりました」と嬉しい悲鳴をあげる。

全文は発売中の『週刊文春WOMAN 2019夏号』に掲載中

 ブームを支えるのは、現在刊行中の唯一の専門誌『コミック百合姫』。その創刊は2005年に遡り、合併や隔月刊を経て16年に月刊化している。同誌の梅澤佳奈子編集長が、ターニングポイントとして挙げるのは、11年に百合レーベルの作品として初めてアニメ化されたゆるゆり(なもり)。現在のブームについては、次のように捉えているという。

「百合という単語がジャンルとして認知され、広く楽しまれるようになったのは、ここ2~3年のことでしょうか。弊誌でいうと昨年のcitrus(サブロウタ)、またKADOKAWAさんの『やがて君になる』のアニメ化も大きい。一般誌にも当たり前のように百合作品が存在していて、読者が違和感なく読める状況になってきたのだと思います」