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2019/08/20

source : 週刊文春WOMAN 2019夏号

genre : エンタメ, 読書, ライフスタイル

“百合”とは女性が女性に抱く強い感情

 11年放送の『魔法少女まどか☆マギカ』や13年『ラブライブ!』といった百合的要素を持つTVアニメの爆発的ヒットやアイドルブームにより、百合について語りやすい素地が生まれたこともこの現象と無関係ではないと梅澤さん。確かに先述の作品には、女の子同士の濃い感情が描かれているが、その範囲は友愛に羨望、嫉妬に憧れといった具合に広い。では、百合の定義って?

©佐藤亘/文藝春秋

「仲のいい子のマネをしたいとか、他の子と仲良くしているのをみて独占欲が湧いたりを、一度でも経験したことがある女性は多いのではないでしょうか。私は女性同士の恋愛だけでなく、女性が女性に抱く強い感情は百合だと思っています。そこに性愛を含めたものまで百合とおっしゃる方もいれば、思春期の友情や友達を独占したいと思う気持ちこそ百合と捉える方もいて、作家にしても読者にしても捉え方が千差万別なのが百合の難しいところ。私達はそれぞれの感情を大切に出来たらと考えているので、『これは百合』『百合ではない』といった定義はあえてしないよう心がけています」(梅澤さん)

 厳密な定義づけをやんわりはねのけつつ、多くの女性が一度は経験したことがある繊細な感情を描く百合マンガの世界。幅広い意味を内包していることに加え、“百合”という文脈が可視化されたことで既存の作品に百合的なものを見いだす層も出現。これらが合わさり、多様性の時代に花開いたのだろう。