昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 働き方

「ワキガの人の後にあたると、ウッてなる」

 ニオイも深刻な問題だという。

「着ぐるみのヘッドは洗えないので、消臭スプレーをするが、その程度ではきかないのでアルコールを水で薄めて除菌しまくります。それでもワキガの人の後にあたると、ウッてなる。香水は禁止。なので我慢するしかない。

 シャワーもないので終わったら夏は拭きまくる。暑さ、ニオイ、あと着ぐるみでタイツなどを着るときあるんですけど、それは1人1枚しかもらえない。雨が降るとベタベタして気持ちも悪いのですが、それも我慢です」(Aさん)

©文藝春秋

 日給は1万円以下で、大抵は7000円前後だという。それでも何故働くのか? 味わったことしかわからない着ぐるみの魔力があるという。

「着ぐるみの仕事って中毒性があるって、やってる子は皆言います。普段の生活では味わえない、お客さんがみんな笑顔で寄ってきてくれて喜んでくれる。それって人生でなかなか味わえない“非日常”だと思う。被っただけでスーパースターになれる。

 たまに戦隊やヒーローショーのお手伝いにいくこともあるんですけど、平日はサラリーマン、土日だけ仮面ライダーをやってるオジサンもいっぱいいます。辞められない、趣味としてやってる人もたくさんいます。給料だけじゃないんですよね」(B子さん)

「人が入っているということを忘れないでほしい」

 “中の人”たちは今なにを求めているのだろうか。

「夢を売る商売で矛盾しますが、着ぐるみの中には人が入っているということを忘れないでほしいです。着ぐるみが体調を悪くて、命の危険があっても脱げない環境だけは絶対つくってほしくない」(Aさん)

「ちびっ子ショーの後のグリーティングでお客さまと触れあうとき、制限時間を越えて、付き添いのスタッフが間に入っても、引き止められて握手や写真をねだられることが多い。親御さんにはそのへんをしっかりしてほしい。気持ちもわかりますが、着ぐるみのなかはボロボロで1秒でも早く控え室に戻りたい人間が入っているのです」(C子さん)

 東京五輪を来年に控え、“おもてなし”の機会が増えるこの1年、着ぐるみはさらにフル活用される予定だという。

この記事の写真(3枚)

文春リークス

あなたの目の前で起きた“事件”募集!

文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。

※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください。