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まるでサラリーマン 自民党・岸田文雄氏が好きでもないゴルフを練習する理由

派内には次期幹事長を期待する声もあるが……

 自民党の岸田文雄政調会長(62)が最近、にわかにゴルフに力を入れ始めた。政治部デスクは、「普段、ゴルフをやらない岸田氏が20年ぶりにゴルフセットを買い替えて練習に励んでいます」と明かす。

 急にゴルフに目覚めた背景には、7月の参院選での“惨敗”がある。岸田派所属の現職が秋田、山形、滋賀、広島と4つの選挙区で落選。中でもダメージが大きかったのが、岸田氏のおひざ元の広島だ。地元県議らはこぞって、6選を狙った派の重鎮、溝手顕正元参院議員会長を支援したものの、野党系現職と、安倍晋三首相や菅義偉官房長官が全面支援した自民新顔の河井案里氏に苦杯を喫した。「岸田氏には『選挙の顔』になる首相の資格などない」との声が党内に広がった。

 実は岸田氏は、選挙前からこの事態を最も恐れていた。参院選公示を一カ月後に控えた6月3日、岸田氏は安倍首相の私邸を訪ねている。永田町は「すわ衆院解散、W選を見据えた密談か」とざわめいたが、実はこの時なされたのは広島選挙区の相談だった。溝手氏の地盤を切り崩さないよう頼んだが、結局、安倍首相は一切手を抜かず、河井氏を全面支援したのだ。

 だが一方で、ポスト安倍政局で岸田カードを保持しておきたい安倍首相は最近も、「溝手さんは演説が下手。街頭に立つほど票が減った。岸田さんじゃなくても、溝手さんを勝たせることはできなかった」と岸田氏をかばう言動を周囲に見せている。岸田氏にしても、安倍首相に直接、不満をぶつけることなどできない。

「岸田さんが宰相の座を射止めるには安倍首相の強力な後押しが必要不可欠。首相にとにかく付いていくしかない様はある種の悲哀を感じさせる」(政治部記者)

 その象徴が好きでもないゴルフの練習なのだ。