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阪神・福留孝介が元相撲部記者のお腹をさすってホームラン!? 奇跡を呼ぶ“幸福のお腹”伝説

文春野球コラム ペナントレース2019

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 初めまして、ちゃんこ長谷川と申します。チャリコ遠藤先輩の依頼を受け、虎番2年目の僕が今回「阪神と相撲」という繋がりそうにないテーマで書いていきます。 

 まずは簡単な自己紹介からさせていただきます。1994年、愛知県生まれの24歳。阪神で言えば藤浪、北條、近本、木浪らと同世代になります。小学2年から相撲を始め、高校は愛工大名電高校に進学して最高成績は全国ベスト32。その後、立命館大学でも4年間相撲を続け、角界で活躍する御嶽海、炎鵬といった力士とも対戦を経験しましたが、野球とは無縁の生活でした(高校時代は野球部の応援をしていましたが……)。

糸井嘉男と筆者 ©ちゃんこ長谷川

体重138キロ 「角界」から「球界」へ

 そんな私はスポニチに入社して2年目の春に阪神タイガース担当となり、「角界」から「球界」へ主戦場を移すことになったのですが、初めて訪れた2軍の本拠地・鳴尾浜球場で矢野監督(当時2軍監督)と対面するやいなや、巨体を見てニヤリと笑った指揮官から「相撲やってたん? じゃあ、今日からちゃんこって呼ぶわ」と“初顔合わせ”でちゃんこと命名されて記者生活がスタートしました。 

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 当然ながら、相撲経験者は記者でも珍しいようで、鳴尾浜にある大きな柱の前で選手を待っていると、矢野監督が通る度に「テッポウしてみて」と相撲の稽古にまつわる動作の指令を受け、今年の春季キャンプでは組み合って相撲を取って「寄り切り」で白星をつかむことができました(笑)。「やっぱりテッポウと一緒で、ゴロ捕球も下から上の動きが大事なんだ」。下半身から上半身へ力を伝える理論は野球にも通じるようで矢野監督も“下から上”の重要性を強調していたことを思い出します。

 こんな相撲人の僕ですが、体重138キロということが1つの悩みになっています。相撲を引退してから約3年が経過したにも関わらず、一向に体重が減りません。今も130キロ台をキープしたままなんです。大きい体は時に? いや、常時邪魔になってしまいます。球場で取材していても狭い通路にいるだけで、道をふさいでしまい、同い歳で当たりの強い北條選手には「ちゃんこデカいねん! 通路が狭いわ」とイジられ、試合後のぶら下がり取材もひと苦労です。また夏場は人一倍汗をかくため、暑苦しいと思われているかもしれません。

 それでも、取材を重ねるうちに僕の体重だけでなく、阪神への興味が増しているのも確かです。大きな体が時には“役に立つ”こともあるんです。阪神は番記者の数がヤンキースやレッドソックスもしのいで世界で一番多いと言われていますが、大柄のせいか、関係者の方にすぐに覚えてもらえるのは本当にありがたいです。取材も独特な形で成立したことがあります。

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