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星稜・奥川が語っていた「佐々木にあって、自分にないもの」 U-18野球W杯大会、韓国現地レポート

source : 週刊文春デジタル

genre : エンタメ, スポーツ

 大船渡・佐々木朗希、星稜・奥川恭伸。この夏の高校野球の話題を独占した2人の投手は、世界を相手にどんな投球を見せるのか。そして、ライバルとして、どんな視線をお互いに交わしているのか――。

 韓国・釜山近郊で開かれているU-18野球W杯はスーパーラウンドに突入。日本代表は9月5日のカナダ戦に、奥川が登板して18奪三振の快投、勝利を収めた。そして6日、宿敵・韓国との一戦を迎える。この春の地方大会から両投手に密着取材するノンフィクションライター、柳川悠二氏が現地からレポートする。

7回18奪三振、奥川の“歴史的な投球”

 U-18野球W杯が開催されている韓国も、対戦国・カナダが位置する北米も、驚愕したに違いない甲子園準優勝投手の世界デビューだった。

 この夏の決勝以来、ちょうど2週間ぶりのマウンドとなった奥川恭伸(石川・星稜)は、スーパーラウンド初戦・カナダ戦に先発した。「105球」という大会規定の球数制限があるなかで、7回を103球で投げきり、計21個のアウトのうち、実に18個もの三振を奪う快投だった。

カナダ戦に先発し、7回を18奪三振の奥川=韓国・機張 ©共同通信社

 しかし、試合後の本人に満足した様子は微塵もなく、唯一の失点となった本塁打を悔いていた。

「何も考えず、フッとした時に、打たれてしまった。中途半端だった。試合中に、スライダーを修正して、徐々にコントロールできるようになったのは今日の良かったところ。それでも、手を緩めてコントロールしているので、目一杯振って、コントロールできるようになっていかないと、この先しんどいんかなと思います」

 試合の直後、アンパイアを務めた米国人が、高揚した顔で大会関係者とシェイクハンドしていた。その表情は、「歴史的な投球に立ち合えた」喜びを表していた。

「まだまだやれる。これからもっともっと相手が強くなっていく。これくらいの投球で、満足したくはない。世界一になったときに喜べるように、やらなければならないことはたくさんあると思います」