元メンバーの山口真帆(23)が告発してから8カ月、NGT暴行事件は新たな局面を迎えている。現在、運営会社「AKS」は犯人グループを相手取った民事訴訟の真っただ中。9月20日(金)には進行協議が開かれる予定だ。
吉成社長が事件を根底からひっくり返す発言
そんな中、「週刊文春デジタル」では8月27日と9月6日の2回にわたり、運営会社「AKS」の吉成夏子社長がNGTメンバーや保護者に対して、事件の内実について率直な内心を打ち明けた録音テープをもとに報じた。吉成氏の音声も一部公開した。
吉成氏は「犯人側の言い分」と前置きしながらも、「犯人たちと、もともと繋がっていたのは山口さん」「山口さんはあることが原因で男性と不仲になり、無視するようになった。連絡をとれなくなった男性(犯人)が、直接話そうと山口の部屋を突然訪れた。そのために事件は起こった」などと語っていたことが判明。
これは山口が1月に告発した内容を根底からひっくり返す発言だと言える。しかし山口に対し、犯人との繋がりについて事実確認を求めたところ、山口は所属事務所を通じて「そのような事実はございません」と回答。AKSにも質問状を送ったが、期日内に回答はなかった。
両者の言い分は真っ向から食い違う。一体、NGT暴行事件とは何だったのか――。
事件に関与しているメンバーを聞き出そうと……
「週刊文春デジタル」では今回、山口と犯行グループの関係を裏付ける新たな客観的証拠を入手した。第三者委員会報告書にもたびたび登場した元メンバー・M子が所有していた「公園での音声データ」だ。
事件直後、山口はM子に電話をかけて合流し、現場マンション近くの公園に移動。山口は犯人らを問い詰め、双方は言い合いになったが、その際にM子がスマホで録音したデータが存在した。この録音データは事件の調査にあたった第三者委員会にも提出されている。
録音データは山口、M子側から関係者、運営サイドなどに渡り、音楽関係者やスポンサー、一部のメディア関係者にも内々でコピーされていった。箝口令が厳重に敷かれていたため、音声そのものがこれまで公になることはなかった。
音声データは約50分。全編にわたり、山口は事件に関与しているメンバーを聞き出そうと犯人側に詰め寄っている。その中で山口はNGTメンバー・太野彩香(22)、西潟茉莉奈(23)、未成年研究生・D子の3人の名前を挙げている。D子は事件当日、山口の帰宅時間を犯人グループ側に教えたことがわかっている。
この音声が示しているのは、秋元康プロデューサーが構築した「会いに行けるアイドル」というビジネスモデルのリスクそのものである。ファンがアイドルと握手会などで顔見知りになり、“繋がる”ことが可能な「AKB商法」は、生身の少女たちを危険にさらすビジネスなのだ。その最悪の結果が、今回の事件であり、この音声はその証拠である。
ここでは録音データを文字に起こしたものを一部公開する。