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「マラソンはメンタルが40%」 MGC3位・大迫傑の心になぜ「焦り」が生まれたのか

2019/09/21

「正直、力負けです」

 9月15日、東京五輪のマラソン日本代表の座を賭けたMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が開催された。男子で大本命と目されていたのは日本記録保持者の大迫傑(28)だったが、結果は代表内定の2位に5秒及ばず3位。

「焦ったのは自分の心の弱さ」と語った大迫 ©共同通信社

 大迫は敗因の1つとしてポジショニングを挙げた。

「設楽(悠太)選手が最初から抜け出すのは予想をしていましたが、それでも心のどこかで焦りがあったのだと今は思っています」

 設楽の序盤から飛び出す戦略は、大迫に少なからぬ影響を与えていたのだ。

「普段なら2位集団のもう少し後ろにいるところを、前の方で走ってしまった。結果、激しいアップダウンの一つ一つに反応をしてしまい、(優勝した)中村(匠吾)選手がスパートをかけた時には足が残っておらず、一杯一杯の状態でした」

 大迫は自著『走って、悩んで、見つけたこと。』(文藝春秋刊)でこう語っている。

「前半はあまり展開を考えずに、なるべく力を使わないように省エネを意識する。そのため、最初は目立たないように後方で一歩引いて走るようにしています。仮にレースが動いた時でも中盤から後ろにつくことによって一旦呼吸を置いて対応できるようになるからです」